【フローラS】ブエナ妹・良血サングレアル ハープ挑戦へ名乗り

[ 2014年4月28日 05:30 ]

ブランネージュ(奥)との競り合いを制したサングレアル

 さあ、世紀の“同門対決”だ。オークストライアル「フローラS」が東京競馬場で行われ、G1・6勝馬ブエナビスタを姉に持つサングレアルが直線で剛脚を繰り出して重賞初V。同じ松田博資厩舎に所属する桜花賞馬ハープスターのライバルに名乗りを上げた。2着ブランネージュ、3着マイネオーラムもオークス優先出走権を獲得した。

【レース結果】

 左後一白の小さな体には、驚異の末脚が宿っている。府中の長い直線、サングレアルが来た!!上がり3F最速の34秒3。後方待機から外に持ち出すと先に抜けたブランネージュを1完歩ごとに追い詰め、ゴールではきっちり頭差捉えた。

 勝ち時計2分0秒0はレースレコード。「早めに抜け出すとソラを使うので、それだけ気をつけた。左回りもスムーズだったし本当にいい競馬」。岩田は直前の10Rで騎乗停止処分を受けたとあって神妙な表情ながらも愛馬の能力を称えた。

 これが血統の力なのか。兄姉はブエナビスタなど活躍馬ぞろい。きょうだい6頭での重賞制覇は既に持つJRA記録をさらに更新した。うち5頭を手掛けた松田博師は笑いが止まらない。「普段はおとなしいけど気が強いところもある。性格はブエナと似ているな」。出走馬18頭で最軽量の414キロ。成長を待ちながらの調整でオークス出走をフローラSの一発勝負に懸けたが見事にクリアした。「顔を見たら走らせるのがかわいそうになるくらい子供。それでよく頑張った。馬体ももう減るところがないし上積みはいくらでもあるわな」とさらなる成長を予感している。

 担当はハープスターと同じ山口慶次厩務員。オークスはまさに同門対決、馬房も“お隣さん”の勝負となる。ハープが待つ本番の展望を問われた師は「まあまあ。ハッハッハッ」と余裕の対応。現時点ではハープ優勢は揺るがないが、キャリア3戦で重賞Vを果たした超良血馬の底力は計り知れない。

 ブエナの手綱も取った岩田は「走り方とかよく似ている。まだ抜け出してからが子供だけど、成長したらもっと凄い脚を使える。距離はこなせるし楽しみ」と期待を寄せる。馬名はフランス語で「王家の血脈」。日本史上最高の血脈の力をもってすれば、1カ月後にハープに肩を並べるまでに成長したとしても驚けない。

 ◆サングレアル 父ゼンノロブロイ 母ビワハイジ(母の父カーリアン)牝3歳 栗東・松田博厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦2勝 総獲得賞金5984万4000円。

 ▼きょうだい6頭目の重賞制覇はJRA記録の更新となった。きょうだい4頭での重賞Vは母エアグルーヴ、母スカーレットレディ、母ダンシングキイが達成している。

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