【日経新春杯】ポスト・オルフェ誕生!サトノノブレス鮮やか逃走劇

[ 2014年1月20日 05:30 ]

アドマイヤフライト(右)の猛追をしのいで重賞初制覇のサトノノブレス

 京都の日経新春杯は昨年の菊花賞2着サトノノブレスがV。池江厩舎から“ポスト・オルフェーヴル”の有力候補が誕生した。

【レース結果】

 2歳時から指揮官が「うちのエースになれる器」と言い続けてきたサトノノブレスが待ちに待った重賞初制覇。ためらわずハナを奪う好判断が光ったルメールは、してやったりの表情で引き揚げてきた。

 「必ずしも前に行こうとは思ってなかったよ。ただ、スローペースだったし、リズムを大事にしたらあの位置になったんだ。スタミナが豊富な馬ということは分かっていたし、能力を信じていたよ」

 鞍上からは作戦というより成り行きで無理に抑えずハナへ。ともあれ内ラチ沿いだけが伸びる馬場、そして前半1000メートル60秒2のマイペースを味方に付けた。4角手前まで隊列が動かない。こうなると断然前有利。ゴール前ではアドマイヤフライトに詰め寄られたが、序盤の貯金を生かして首差振り切った。池江師は鞍上の手綱さばきを称える。

 「人馬一体だったね。行く馬がいなかったし、自在性のある馬だから、逃げは想定内。せっかくの1番だし、伸びるラチ沿いで競馬をしてほしかったんだ。ファンも全員、こういう馬場と分かってたでしょ」

 いたずらっぽい笑みを浮かべた指揮官は、続けて愛馬の成長もアピールした。「トモが四角くてほれぼれしたね」。馬体重はプラス20キロ。3カ月の休養をへて、数字の割にきゃしゃだったボディーに厚みが増した。「ようやくですね」。このひと言に、期待馬がやっと本格化を迎えたという喜びがにじんだ。

 中山金杯のオーシャンブルーに続き、池江厩舎は早くも今年重賞2勝目。オルフェーヴルが去っても、存在感は色あせない。

 「オルフェの分は1頭だけじゃ足りないよ。5頭ぐらいでいかないとね」

 サトノノブレスの今後は1走挟んで天皇賞・春。まだ混とんとしている古馬の頂点をめぐる戦いは、ここからが本番だ。

 ◆サトノノブレス 父ディープインパクト 母クライウィズジョイ(母の父トニービン)牡4歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・里見治氏 生産者・北海道洞爺湖町メジロ牧場 戦績10戦3勝 総獲得賞金1億6542万1000円。

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