【立川・KEIRINグランプリ】金子 愛弟子の深谷と“絆”V

[ 2013年12月31日 05:30 ]

優勝した金子(右)と逃げた弟子の深谷はガッツポーズ

 金子が初出場初V!「KEIRINグランプリ2013」は30日に東京・立川競輪場で行われ、深谷の逃げに乗った金子貴志(38=愛知・75期)が追い込んで優勝。賞金1億円を獲得して13年の賞金王に輝いた。今年は弟子の深谷知広との好連係で寛仁親王牌、競輪祭を制しG1・2勝の活躍。今年を締めくくる大一番でもあらためて師弟の“絆”を見せつけた。2着は浅井康太、3着は長塚智広だった。

 「夢のようです」。デビュー19年目の金子が10年の村上博幸以来、10人目のGP初出場Vを決めた。「お客さんの声援が凄かった」。GP独特の雰囲気の中、初めての大一番に臨んだ金子は愛弟子の後輪に集中してレースを運んだ。

 深谷が打鐘から踏み込み、最終Hでスピードに乗ると金子が「バック(残り半周)では脚がしびれた」ほどのハイペース。最終4コーナーからは「脚がいっぱいになったが気持ちで」ペダルを踏んで栄光のゴールを駆け抜けた。「本当にうれしい。前の深谷と後ろの浅井のおかげです」。愛弟子の深谷とラインを固めてくれた浅井に、何度も何度も感謝した。

 「自分を支えてくれた家族、応援してくれたすべての人に感謝します」。豊橋からは島野浩司ら選手仲間をはじめ、家族も応援に駆けつけた。妻の泉さんは「最後の半周は見ていられませんでした。まだ夢を見ているようです」と夫の表彰式、記者会見を見守った。またGP当日の30日は小学6年生の長男・燎世(りょうせい)君の誕生日。“父は日本一の競輪選手”という大きなプレゼントをもらった。

 「今年は怖いぐらいの一年になった」。7月・寛仁親王牌でG1初制覇を飾ると12月・競輪祭で2度目のタイトルを獲得。「この舞台で走れることは光栄なこと」とGP独特の雰囲気を味わい、そして最高の結果を出した。今年の賞金王にも輝いた金子は、1億円のビッグボーナスの使い道について「車を買いたいですね」と笑顔で応えた。

 金子と深谷の師弟の絆を印象づけた13年は金子優勝で幕を閉じた。「(来年は)グランプリ王者として恥じない競走をするためにも日々精進します。一日一日、そして一戦一戦に全力を尽くします」。14年は金子がグランプリチャンピオンジャージーの1番車で出走する。

 ▽金子 貴志(かねこ・たかし)1975年(昭50)9月5日生まれの38歳。愛知県豊橋市出身。私立桜丘高卒。95年4月デビュー。通算成績は1597戦393勝。通算取得賞金は7億5420万円。主な優勝はふるさとダービー佐世保(04年4月)、第22回寛仁親王牌(13年7月)、第55回小倉競輪祭(13年12月)、グランプリ2013。1メートル75、86キロ。血液型A。

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