【天皇賞・秋】ジェンティル女帝復権追い!心身乱れなし12秒5

[ 2013年10月24日 06:00 ]

追い切りで軽快に駆け上がるジェンティルドンナ

 頂上決戦「第148回天皇賞・秋」(27日、東京)の追い切りが23日、栗東、美浦トレセンで行われ、昨年の年度代表馬ジェンティルドンナが栗東坂路で鋭く伸び、仕上がりの良さを誇示した。3着に敗れた宝塚記念以来となるが、さらなるパワーアップをアピール。G1・2戦2勝、得意の東京コースで復権を狙う。同レースは24日に出走馬、枠順が確定、25日に金曜売りを行う。

【天皇賞・秋】

 女王、女傑、最強牝馬…。昨年の年度代表馬相手に、こう表現すること自体、もうピントがずれているのかもしれない。今回、ただ1頭の牝馬参戦と聞かされた石坂師は「そうか、紅一点か」と言っただけで意に介さず。牝馬であるかどうかなど関係ない。チャンピオンが堂々と臨む一戦なのだ。

 調教助手を背に坂路で単走。外ラチ沿いをリズミカルに駆け上がった。まるで定規で線を引いたかのような、真っすぐな蹄跡が気持ちいい。心身ともに乱れはなし。800メートル53秒7~12秒5を軽快に刻んでみせた。

 「今までも休み明けは経験しているが、今回はじっくり、そしてしっかりと乗り込めた。仕掛けてからの反応もいい。思惑通りにきた」(同師)。宝塚記念3着後は完全リフレッシュ。昨年は3冠戦を戦い抜き、今年前半はドバイへと遠征。休んでいても、どこかに緊張感が残っていたことは否めない。その点、今回は蓄積したストレスを根本から取り去ることができた。「リラックスできたから食欲旺盛。体重も増えた。疲れ?全く感じられないよ」

 和やかムードの記者会見の空気が一変したのは、宝塚記念の敗戦に話題が及んだ時だった。「今さら振り返るのも嫌だな」と指揮官は首を振った。「何とか勝てないかと思って使ったが…。もう、だいぶ前のことだから」。当日の阪神の馬場は悪く、さらに道中で力んだ。ジェンティルにとって厳しい条件が重なり、同情の余地はあったが、陣営は悔しさを胸に刻み込んだ。

 だからこそ、今回は名誉回復を懸けた一戦となる。「走れる状態に持ってきた。よく仕上がった。ジェンティルドンナがどんなに強いか…」。続く言葉は察しがつく。どんなに強いか証明してみせる。これしかない。

 週末は雨予報。馬場悪化は歓迎ではないが、「こればかりは仕方ない」と指揮官。その上で「いい走りをお見せすることができると思う」。力強く締めくくった。

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