【関屋記念】ランリョウオー 馬名由来はイケメンで勇猛な中国王族

[ 2013年8月7日 06:00 ]

叩き2戦目で重賞初Vを狙うランリョウオー

 今週の新潟メーンはサマーマイルシリーズ第2戦、関屋記念(11日)。1番人気に推された中京記念で10着に敗れたランリョウオーがリベンジに燃える。過去23戦中、3番人気以内でなかったのが1度だけと、常に注目を浴びてきた存在だが、6歳、22戦目でようやくオープン入りを果たした“苦労人”でもある。6日朝の坂路の動きは、追い切りでもないのに迫力十分。悲願である初重賞制覇の瞬間が迫った。

【関屋記念】

 重賞獲りへの熱い思いが伝わってくるようだった。追い切りを翌日に控えた6日朝。坂路を上がるランリョウオーは、ただならぬオーラを発していた。もちろん手綱は抑えたまま。しかし、自らグッとハミをかみ、四肢をグイグイと躍動させた。4F58秒8~1F13秒5。雨で重くなったウッドチップを物ともせず、追い切りと見間違うようなスピード感。「凄いな」。記者席からため息が漏れた。

 川島助手は語った。「最近、行きっぷりが良くなかったので、あえてハミを掛け気合を入れたら、ビュッと突き抜けた。今までにない感触。やっと自分から走る気持ちになってくれたようだ」

 前走・中京記念は除外対象だったが、回避馬が出て出馬投票直前、急きょ出走が決まった。陣営は追い風と受け取ったが、直線で伸び甘く10着。馬の気持ちがレースに向けて整っていなかったのかもしれない。同助手は説明した。「休養明けで状態がピリッとしていなかった。普段はおとなしいが、パドックでは珍しく馬っけを出し、落ち着かなかった。それでも最後は差を詰めていたし、力負けした印象はない」

 もともと、気持ちで走るタイプ。直線、歯を食いしばり、外からいつも懸命に脚を伸ばす。決め手に懸ける脚質で、流れにも左右されるため2着も多い(9回)が、心技体そろった時の破壊力は重賞でも十分に通用する。「末脚を生かせる長い直線は合う。今度は違った競馬ができる。最大目標であるマイルCS(11月17日、京都)を目指すためにも、秋に向けて賞金を加算したい」(同助手)

 馬名の由来となった蘭陵王は、味方の兵が見とれてしまうほどのイケメンだったため、仮面をかぶって戦ったという。21世紀のランリョウオーはファンが見とれる剛脚で初重賞を手にする。

 ▼蘭陵王 中国・北斉(550~577)の王族、高長恭のこと。「音容兼美」と表現されるほど声、顔とも美しく、部下が見とれてしまって戦いにならないため、仮面をかぶって戦に臨んだ。軍は大勝し、兵士は喜びを歌で表現。それが雅楽となり、今に伝わっているとされる。

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2013年8月7日のニュース