【レパードS】砂の新星インカンテーション 横綱相撲で重賞初V

[ 2013年8月5日 06:00 ]

レパードSを制したインカンテーション

 3歳ダート巧者が集まった新潟メーン「第5回レパードS」はインカンテーションが1番人気に応えて、こちらも重賞初V。ダート界に新星が誕生した。

【レース結果】

 まさに横綱相撲。インカンテーションが1番人気に応え、完勝劇を演じた。サトノプリンシパル、オメガインベガスを行かせ、イン3番手の絶好位。勝負どころの4コーナー。外からケイアイレオーネが先に動いたが慌てず騒がず。残り1Fで内からレオーネを抜き去った勢いで、サトノも2馬身半突き放しての楽勝だ。

 殊勲の大野からは感嘆の言葉が飛び出た。「強かったです。最後はカメラマンを物見する余裕があったぐらい」。恐るべし。通常、ダート重賞では芝とダートコースの切れ目の柵内に報道カメラは陣取る。残り50メートル、右の視界に入ったカメラの放列を“チラ見”する余裕があったのだ。古馬1000万(濃尾特別)を勝った直後でも、ファンが支持した強さは本物だった。

 09年東海S(ワンダースピード)以来、重賞4勝目を飾った羽月師は「こうなるといいなあ…と願った通り。安心して見られた」と笑みが広がった。3月沈丁花賞(中京)で5馬身差Vに導いた大野から「新潟遠征の時は乗せてください」と願い出たという。大野も師の快諾に好騎乗で応えた。約5カ月ぶりの対面に、鞍上は「スタートも決まったし、イメージ通りのポジションが取れた。軽い馬場が合うので(10R前から)ひと雨降ったのも良かった。前半は掛かるぐらいの手応え。直線?手前を替えさせてから追えば、十分だと思った。末脚に磨きがかかっている」と目を細めた。

 待望の初タイトル。今後はご褒美の放牧で充電を図る。師は「元から力は感じていた。競馬が上手ではない分、大野くんはじめ、この馬に携わった全ての騎手に感謝です。教え込んでくれたことが実を結んだ」と述懐。さらに「秋?言える立場ではないですが、JCダート(12月1日、阪神)は目標にしたい」と夢をはせた。夏の越後路での大収穫が、砂の新星の進撃をさらに加速させていく。

 ◆インカンテーション 父シニスターミニスター 母オリジナルスピン(母の父マキャヴェリアン)牡3歳 栗東・羽月厩舎所属 馬主・ターフ・スポート 生産者・北海道浦河町谷川牧場 戦績11戦4勝 総獲得賞金7702万6000円。

 ▼馬名の由来 インカンテーションとは英語で「呪文、呪術」。父シニスターミニスター(Sinister=邪悪な、不吉な、Minister=大臣)の馬名からの連想。

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