【小倉記念】見せた豊マジック!メイショウナルト、レコードV

[ 2013年8月5日 06:00 ]

レコードVを飾ったメイショウナルト(左)

 サマー2000シリーズ第3戦「第49回小倉記念」が4日、小倉競馬場で行われた。武豊騎乗の3番人気メイショウナルトが1分57秒1のコースレコードで堂々の重賞初V。3歳のきさらぎ賞(5着)以来の2年半ぶりの重賞挑戦、現在準オープン馬の格下の身だったが急成長ぶりを見せつけた。

【レース結果】

 メイショウナルトは、メンバー唯一の格上挑戦馬とは思えぬ、堂々とした競馬で歴戦の重賞ホースを撃破。武豊が「完璧なレースができた」と振り返ったように、鞍上の絶妙なエスコートが金星をもぎ取った。

 同じ勝負服のメイショウサミットが先手を奪い、1000メートル通過が58秒0のハイペースで引っ張る展開。ナルトは先頭から約7馬身離れた内の5、6番手で流れに乗った。ラスト600メートル、武豊の手が動いた。後退してきた逃げ馬と2番手タムロスカイの間にできた、1頭分のスペースに飛び込んだ。

 「ちょっと早いかなと思ったが、思い切って勝負にいった。ドンピシャのタイミングで先頭に立てたな」

 後続がバテた先行馬をさばくのに苦労する中、ナルトは涼しい顔で差を広げた。1馬身1/4差の快勝、やや重馬場ながら1分57秒1のレコードまで樹立した。

 この重賞挑戦は2走前に騎乗した三田特別V後に鞍上が進言。「小倉は合うんじゃないかと。狙っていたレースだし本当にうれしい」。ユタカコールが飛ぶ表彰式で喜びを爆発させた。

 これで近4走は3勝、2着1回。充実一途の5歳を迎えたが、苦労の道のりもあった。一昨年7月に500万を勝った後は、今年5月に降級した500万を再び勝つまで6連敗。それも2桁着順が4回もあった。気性面の問題…陣営は昨春に去勢を決断。さらに身に着けていた馬具は全て外し、直前の追い切りをセーブするなど、やれることはやった。

 「何が良かったのか、分からない。それでも、真面目に走るようになった。こんな馬は初めてやな」

 64年に騎手デビューして以降、50年以上も馬を見てきた武田師も驚きを隠せない。続けて「夏は強そうなタイプだが、今後は状態を見てオーナーと相談してから決めたい」と話した。

 この日、本馬場入場を誘導したのは、04&05年の小倉記念を連覇したメイショウカイドウ。同じ勝負服、手綱を取ったのも武豊だった。小倉のファンはその時のデジャビュを見るように天才の手綱さばきに酔いしれていた。

 ◆メイショウナルト 父ハーツクライ 母スターペスミツコ(母の父カーネギー)セン5歳 栗東・武田厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町鎌田正嗣氏 戦績18戦5勝 総獲得賞金1億810万4000円。

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