【宝塚記念】マックイーンは走りも“馬っ気”も凄かった

[ 2013年6月20日 06:00 ]

93年宝塚記念を制した武豊とメジロマックイーン。左は早川厩務員

 一流のステイヤーでありながら中距離のスピードにも対応する。現役時のメジロマックイーンは、そんなタイプだった。90年菊花賞を制し、91&92年の天皇賞・春を連覇。93年はライスシャワーの2着に敗れ、天皇賞・春3連覇はならなかったが、続く宝塚記念でもファンの信頼は絶対だった。単勝1・5倍。断然の1番人気に完勝で応え、4度目のG1制覇。早川清隆厩務員(62)が当時を振り返った。

 「距離は長い方が良かったことは確かだが、武豊騎手は、マイルでも大丈夫と言っていたくらい。だから2200メートルへの心配はなかった。状態も良かった」

 馬っ気がきついタイプだった。93年宝塚記念には牝馬が2頭出走。通算51戦した猛女、イクノディクタスにパドックで“反応”した。種牡馬になってから、そのグランプリで8番人気ながら2着に入ったイクノディクタスとの間に子供(キソジクイーン=11戦未勝利)が生まれたのは有名なエピソードだ。

 「6歳になっても馬っ気を出していた。それでも競馬ではお構いなしに走る。凄い馬やった。種牡馬になってからも、そういう気持ちは旺盛だったらしいよ」

 種牡馬としてエイダイクイン、ヤマニンメルベイユ、ホクトスルタンなど重賞勝ち馬を出したが、06年4月3日、19回目の誕生日に心不全で世を去り、今はJRAに現役の産駒は1頭もいない。近年は、ともに宝塚を制したドリームジャーニー&オルフェーヴルの兄弟、ゴールドシップといったG1馬の母の父として注目を集める。

 「凄い馬たちがマックイーンの血を残してくれていることがうれしい。今回もゴールドシップには頑張ってほしい」

 仁川で圧倒的な強さを示してから20年。グランプリVのDNAは孫の世代にもしっかり受け継がれている。

 ◆早川 清隆(はやかわ・きよたか)1950年(昭25)11月7日、奈良県生まれの62歳。厩務員として田所稔厩舎、池江泰郎厩舎を経て、現在は田所秀孝厩舎。これまでメジロマックイーン、トゥザヴィクトリー、トウカイカムカムなど担当。

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