ブライアンズタイム死す…28歳 3冠馬ナリタブライアンなど輩出

[ 2013年4月5日 06:00 ]

昨年11月17日に撮影した種牡馬ブライアンズタイム

 94年の3冠馬ナリタブライアンなど多くの名馬を送り出した大種牡馬ブライアンズタイムが4日、けい養されていた北海道新ひだか町のアロースタッドで放牧中に右後大腿骨を骨折したため、安楽死の処置が取られた。28歳だった。

 同馬は88年フロリダダービー(G1)優勝など米国で21戦5勝の戦績を残し、90年に日本で種牡馬入り。初年度からナリタブライアン、オークス馬チョウカイキャロルと2頭のクラシックホースを誕生させた。その後も95年菊花賞などG1・4勝のマヤノトップガン、97年に皐月賞とダービーの2冠を制したサニーブライアン、02年ダービー馬タニノギムレットなど中央G1を制した産駒は14頭。地方でも交流G1・6勝のフリオーソという砂の大物を輩出した。同時期に大活躍したサンデーサイレンス、トニービンと共に“種牡馬3強時代”を築いた。

 高齢となった今も現役の種牡馬として供用されており、この日も午前9時に今年9頭目となる種付けを無事に終了。その後の放牧中にアクシデントに見舞われた。正午前に迎えに行った担当者の前で崩れるように倒れ込み、致命的な箇所の骨折が判明。手の施しようがない状態だった。

 功労馬の突然の死に、アロースタッドの本間一幸主任(55)は「シンジケートが解散された後も種付けの希望が絶えなかった。最近は筋肉が落ちて痩せていたし、来年はもう駄目かな…と思うことも多かったが、頑張って種付けを続けてくれていた。それが体力を消耗させてしまったのかな」と話した。

 種付けシーズン中ということもあり、葬儀などのスケジュールは未定。高齢とあって解剖は行われず、既に荼毘(だび)に付された。今後はアロースタッド近くにあるオーマイホースパーク内に墓碑が立てられる予定となっている。

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2013年4月5日のニュース