【桜花賞】岩戸師 猪木イズムとタナボタ理論でナンシー送り出す

[ 2013年4月5日 06:00 ]

桜花賞に出走するナンシーシャインを管理する岩戸調教師

 水曜朝、桜花賞に挑むナンシーシャインの追い切りで栗東に駆け付けた岩戸孝樹師(46)はアウェーの洗礼を浴びた。記者陣の取材に「秘策がある」と不敵に言い放った瞬間、鞍上の大野がそばを通りかかった。「みんな大野のところに行っちゃったんだよ。秘策は聞いてくんないのかよ」。肩透かしに苦笑いを浮かべた。

 馬について話す時、ちょっとしたエピソードを付け加えるなどサービス精神旺盛。たとえばスーパーの福引きで大当たりを引けば、抽選対象の馬に関連づけてクジ運の話を披露する。「ネタ帳があるからね。そうすることで競馬が少しでも盛り上がってくれれば」。小学6年時にアントニオ猪木に会いに羽田空港まで出掛けたというプロレスファン。師の“遊び心”はそれと無関係ではなさそうだ。

 好きな言葉は「棚からぼた餅」だというが、一般的な意味とは少し違う。「ぼた餅が落ちてきた時にそれを得るには、棚の下にいなければならない。棚の下まで行く努力はしなければ駄目なんです」。運も影響する競馬の世界に身を置く人間らしい考え方かもしれない。万全の仕上げで臨む桜花賞。ナンシーシャインは間違いなく棚の下にいる。

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2013年4月5日のニュース