【共同通信杯】クロスボウ 強烈末脚繰り出しクラシック射抜く

[ 2013年2月6日 06:00 ]

自慢の剛脚でクラシックを狙うクロスボウ

 今週の東京メーンは「共同通信杯」(10日)。昨年1着ゴールドシップ、2着ディープブリランテで決まった、まさにクラシックの登竜門だ。大駆けの予感が漂うのはデビュー3戦目のクロスボウ。砂の王者ゴールドアリュール産駒ながら、過去2戦は芝でメンバー最速の強じんな末脚を披露。初参戦となる東京の長い直線で、ズドンと突き抜けそうだ。

【共同通信杯】

 父ゴールドアリュールはダートでG1・4勝を挙げた砂の王者。しかも、530キロ台の雄大な馬格。字面だけ見れば、クロスボウはパワー型のダート馬を想像する。しかし、昨秋の美浦入厩後、調教が進むうちに、通算842勝の名伯楽・大久保洋師はダート馬ではないとの思いを深めていった。

 「最初に見た時は、ひ弱で細い印象。ピッチが上がるにつれ、そういった手脚の軽さ、走りの素軽さこそセールスポイントと思うようになった。ゴールドアリュール産駒でもタイプが違って、芝の長距離向きだと。だから、オーナーサイドにダートではなく芝を薦めた」

 思惑は的中した。昨年12月、中山の新馬戦(1着)は7番人気と低評価の中、メンバー最速の上がり3F34秒5で大外一気。続く京成杯(4着)は最後方から再び最速の同34秒4で外からグイグイ。勝ったフェイムゲームから0秒2差と健闘した。その後は迷わず共同通信杯を選択。良血ヘルデンテノールとのダブル登録となったが「クロスボウは絶対使う」と指揮官は力を込めた。

 「2戦ともスタートがひと息だが、あの位置から伸びるのだから能力は相当なもの。あれを見ると、やっぱり東京で期待したくなる」。1カ月間の東京開催。この共同通信杯を逃せば、次の東京の3歳重賞は青葉賞(4月27日)までない。クラシックに進む意味でも、賞金加算のためにも重要だ。

 「先週きさらぎ賞があったせいか、頭数が思ったほど多くない。跳びが大きくて、ゴチャつかない点ではレースがしやすい。間隔は詰まっているが、特に(過剰に)気が入った面もない」。指揮官は自慢の末脚に託した。馬名クロスボウは西洋で古くから使用された武器の名称。日本一長い東京の直線で、矢のごとく突き抜ける。

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2013年2月6日のニュース