【マイルCS】グランプリボス 鉄板の“叩き3戦目”

[ 2012年11月13日 06:00 ]

グランプリボスがライバルを従えG1・3勝目を狙う

 大混戦の「第29回マイルCS」だが、実績ならグランプリボスが一歩リードしている。前走のスワンSでは課題の折り合いもバッチリ付いて鮮やかな差し切りV。加えて今回は4戦2勝2着2回と得意中の得意にしている“叩き3戦目”だ。ライバルをなで切って、真のマイル王を襲名する。

【マイルCS】

 ホップ、ステップ、ジャンプ――これぞG1獲りの鉄板ローテーションだ。“叩き3戦目の鬼”ことグランプリボスが、この秋もステップレースをしっかり2つ使って、大目標に駒を進めてきた。担当の久保助手が半ば苦笑するように口を開いた。

 「何で叩き3戦目で走るのかは、オレにもよく分からん。でも結果が出てるんやし、いいんでしょう。そやからこの秋も距離の合わん毎日王冠とかを使って来たわけやしね」

 これまでレース間隔が2カ月以上開いた後の叩き3戦目は4回。その全てがG1かG2にもかかわらず【2200】の好成績だ。距離の長い毎日王冠を使ってまで本番を3戦目に設定するのも当然だろう。

 その上で今回注目しなければならないのが叩き2戦目の前走スワンSを勝ったことだ。過去の叩き2戦目は京王杯2歳Sこそ1着だったが、その後の3戦は3、13、7着といずれも人気を下回る着順。プラスに考えれば“叩き2戦目でも勝てる”ほど調子がいいと言えるが、“以前に比べて変わり身が早くなった”ととらえるのも間違いではないだろう。久保助手も「2走前で激走したし、抜け殻になるんじゃないかと心配した」と口にする。しかしそれは杞憂(きゆう)に終わったようだ。

 「攻めを見る限り、その心配はないよ。引っ掛かるぐらいに元気だし、ホントに順調だね」

 毎日王冠で16キロ、スワンSでさらに10キロ増えていた馬体重についても「あれで結果が出なかったらデブってことやけどね。明らかに馬がデカくなってるから成長分だよ」ときっぱり。レースで折り合うようになった精神面の成長も合わせて「馬が完成してきたのかな」と目を細めた。

 久保助手にとってマイルCSは何が何でも獲りたいタイトル。以前に担当していたスーパーホーネットで、08年に悔しい1番人気2着があるからだ。

 「ホーネットの時から、このレースは勝ちたいと思っていたからね。とにかく後は順調にレースの日を迎えられれば…。状態はすんごく、いいからね」

 狙い通りの叩き3戦目で迎える大一番、まさに出来は最高だ。確たる王者不在のマイル戦線に、真のボスが誕生する。

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2012年11月13日のニュース