【新潟記念】トランスワープ 関東馬5年ぶり“夏王者”狙う

[ 2012年8月28日 06:00 ]

函館記念で重賞初挑戦初Vを成し遂げた遅咲きの7歳セン馬トランスワープ

 今週の新潟メーンはサマー2000シリーズ最終戦「第48回新潟記念」。シリーズ制覇を目指してポイント上位馬が顔をそろえたが、5年ぶりの関東馬Vを虎視たんたんと狙うのがトランスワープだ。前走の函館記念勝ち後も順調そのもの。抜群の相性を誇る大野拓弥騎手(25)とのコンビで大仕事をやってのける態勢が整いつつある。

 06年に始まったサマーシリーズは関西馬の独壇場。サマー2000シリーズを制した関東馬は07年ユメノシルシ(大久保洋厩舎)だけだが、今年は久々に王座を狙える関東馬がいる。遅咲きの7歳セン馬、トランスワープだ。

 前走・函館記念で重賞初挑戦初V。タイトル獲得はもちろん、今後に向けても収穫のある一戦だった。それまでは先行して結果を出していたが、重賞では他馬も速く気が付けば道中は中団より後ろ。それでも、勝負どころで抜群の手応えで上昇すると直線ではじけた。上がり3F35秒7はメンバー最速。飛節やトモ(後肢)の緩さなどがあって出世が遅れたが、その分まだキャリア19戦と馬は若い。大野は「洋芝の適性があったのは確かだけど、勝負どころの反応が良かったし、ああいう脚を使えた。成長もしている」と充実ぶりに目を細める。

 大野が騎乗した22日の1週前追い切りはWコースで5F69秒2~1F13秒0。馬なりのまま併走馬を突き放す貫禄の動きを見せた。萩原師は「前走後は放牧を挟んだが夏負けの兆候もなく、順調な調整ができている」とコメント。大野も「状態がいい時はもたれない。今回ももたれなかったし順調に来ているかな」と満足げだ。

 最大のポイントは未経験の新潟芝への適性。洋芝で力のいる函館とは違い、新潟は馬場が硬くて上がりが速い。大野は「こればかりは走ってみないと」と慎重だが、大野騎乗で逃げ切ったアメジストSでは上がり3F33秒6をマーク。速い馬場に対応できる下地はある。騎乗時【3201】と相性抜群の鞍上は「前走でどんな競馬でもできそうな手応えをつかんだ。馬場状態や展開を加味して乗りたい」と前向きだ。

 ランキング首位のフミノイマージンの登録こそないが、アスカクリチャン、エクスペディション、トーセンラーなど上位馬が集結するシリーズ最終戦。厚い関西馬の壁を打ち破って王座に就いたとき、7歳セン馬と大野の夢はさらに大きく広がることになる。

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