【関屋記念】ドナウ 馬体減なし!ジタバタなし!!

[ 2012年8月9日 06:00 ]

<関屋記念>坂路を鋭く駆け上がるドナウブルー。重賞2勝目へ仕上げも精神面も文句なし

 サマーマイルシリーズ第2戦「関屋記念」の追い切りが栗東、美浦両トレセンで行われた。今春、京都牝馬Sを勝ち、ヴィクトリアM2着で、秋はG1奪取を目指すドナウブルーが坂路で軽快な動き。苦手の長距離輸送を見据え、計算通りの仕上げで真夏の決戦に挑む。

 京都牝馬S以来の重賞勝ちを狙うドナウブルーは坂路、単走で追われた。序盤はゆったりと入り、13秒台を刻んで勢いを付け、ラストは1F12秒4。鋭い脚さばきながら余力を残し、レース当日に最高潮となるよう、計算し尽くした仕上げだ。鞍上・荻野要(レースは内田)は「反応、感触とも良かった」と語った。

 今年3月の中山牝馬Sは初の長距離輸送に動揺して16キロ減。レースも11着と惨敗した。続くヴィクトリアMで2着に食い込み、一見弱点を克服したようだが、細心の注意を払うに越したことはない。「420キロ台では寂しく映るし430キロ台後半では太い。ヴィクトリアM(432キロ)時のような体重がいい」と古川助手は語る。

 450キロで牧場から戻り、1週前追いは440キロの馬体で4F51秒7と精力的に追われた。そして、この日の絶妙追いと直前に控える輸送。恐らく陣営の思い通りの体重でパドックに現れるはずだ。先週の小倉記念では気合不足を察知してレース当該週に目いっぱい追い、エクスペディションを復活Vに導いた石坂厩舎。馬の個性に応じて調教に変化をつける技術はトレセンでもトップクラスと言っていい。

 馬自身の成長ぶりも見逃せない。「普段全くジタバタしなくなった。精神面で随分と大人になった」と荻野要は証言する。昨夏は馬房に冷気を噴霧するミストに驚いたり、カイバ食いが落ちる日もたびたびだった。今年は違う。どっしりと構え、乗り運動でも堂々と牡馬をリードする。

 今春の安田記念は10着だったが「あれだけのハイペースを先行した。敗因は明確」(古川助手)と見直し可能。潜在能力では、2冠を制した全妹ジェンティルドンナにも決してヒケを取らないと陣営はみている。本格化の予感漂う大人の女が、しゃく熱の越後路を涼しげに駆け抜ける。

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2012年8月9日のニュース