【クイーンS】今年も3歳馬!ユアーズ古馬一蹴

[ 2012年7月30日 06:00 ]

<クイーンS>レースを制したアイムユアーズ(左)

 真夏の牝馬重賞「第60回クイーンS」が29日、札幌競馬場で行われた。3歳アイムユアーズが1番人気に応えて優勝。10年アプリコットフィズ、11年アヴェンチュラに続き、3年連続で3歳馬が制した。初コンビを組んだ鞍上・池添はレース連覇(通算3勝目)。春2冠(桜花賞3着、オークス4着)は惜敗したが、ラスト1冠の秋華賞へ向けて最高のスタートを切った。

 3歳アイムユアーズが横綱相撲で強力古馬をねじ伏せた。レース後、検量室前に引き揚げてきた池添は「良かった~、よしっ」と初コンビだった愛馬の肩をポンと叩いた。スタンド2階の調教師室から下りてきた手塚師は、駆け足で拍手しながら鞍上を出迎えた。

 レースは好位5番手で流れに乗ると、直線手前でスッと先頭集団に取り付いた。残り200メートルで早くも先頭へ。鞍上はそこから気を抜かせないように左ステッキを連打した。ゴール前は大外強襲したラブフールに迫られたが、手応えにはまだ余裕があった。

 「道中は馬の後ろでしっかり我慢できた。仕掛けが若干早かったかなと思ったが、しのいでくれた」

 鞍上は並々ならぬ意気込みを抱いてレースに挑んでいた。「秋に大きなところに向かって行く馬だし、結果だけじゃなく内容にもこだわりたかった。強い2冠牝馬もいるが、この馬も力があるし順調に行ってくれれば」と期待を込めた。

 春2冠はジェンティルドンナの前に完敗だった。だが、古馬相手の完勝の内容にトレーナーのトーンも急上昇だ。手塚師は「勝ちに行く競馬で勝てたのが良かった。春は挑戦状をそろっと置くしかなかったが、これで堂々と叩きつけられるかな」と笑った。

 馬体は春からひと回り以上も成長。馬体重は前走(オークス4着)から24キロ増だった。「余裕残しもあったが休ませてパワーアップしている。背が伸びたし思った以上に成長力がある」

 これで中9週以上の休み明けは3戦全勝に。この後は秋華賞(10月14日、京都)へ直行。間隔を空ける必勝ローテーションで悲願のG1獲りを狙う。来月2日に北海道・ノーザンファームに放牧に出され、9月初めに美浦トレセンへ。ラスト1冠は美浦で調整して臨む。

 次走の鞍上については流動的だが、手塚師は「池添騎手が完璧に乗ってくれたし、きょうのような競馬ができるのなら」と続投の可能性も示唆した。いずれにしても、この重賞Vは秋の飛躍への大きな勝利となった。
 
 ◆アイムユアーズ 父ファルブラヴ 母セシルブルース(母の父エルコンドルパサー) 牝3歳 美浦・手塚厩舎所属 馬主・ユアストーリー 生産者・北海道安平町ノーザンファ

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2012年7月30日のニュース