【エプソムC】3歳馬初参戦!セイクレット 古馬斬りだ!

[ 2012年6月6日 06:00 ]

 春の東京開催のフィナーレを飾る「第29回エプソムC」。NHKマイルC5着馬セイクレットレーヴが同レース史上初めて、3歳馬として参戦する。別定52キロの軽量に加え、距離、東京コースへの適性を見極めた上での挑戦。自慢の末脚を武器に“古馬斬り”に挑む。

【エプソムC】

 3歳馬セイクレットレーヴが綿密な戦略の下、古馬に殴り込みをかける。エプソムCへの3歳馬の参戦は84年レース創設以来初めて。同じ1800メートル&G3は3週後の福島に3歳限定重賞のラジオNIKKEI賞(7月1日)もあるが、陣営は参戦に踏み切った。田中清師は理由を明確に明かす。「負担重量、距離、コース。オーナーサイドの希望もあって、ここに決めた。横山典君も距離は大丈夫と言ってくれているしね」

 なるほど、指揮官の思惑も合点がいく。ハンデ戦のラジオNIKKEI賞なら推定56~57キロ。古馬と基本重量で4キロ差あるエプソムCなら別定52キロの軽量。一番重いアクシオンとは6キロ差もある。1800メートルは昨夏の札幌で初白星を飾った距離。しかも、東京は1月にクロッカスS快勝の舞台。前走のNHKマイルC(5着)はカレンブラックヒルの逃げに屈したが、2歳王者アルフレード(2着)と0秒1差だった。

 「前走は展開が向かなかったのが全て。それでも、最後はよく差を詰めてくれた。後ろから行けば、しっかりと脚を使う馬。ジョッキーもそういう競馬が合っていると言っている」

 クロッカスSでは3F33秒3を記録した切れ者。小回りの福島や北海道より、断然東京向きだ。今週を逃せば、秋まで開催がない東京最終週に照準を定めた理由も分かる。賞金的にOKのダービーを見送り、名より実を取りにきた。「ダービーも考えたが、今春はマイル路線を歩んできたから。ここならローテーションも問題ない。稽古もしっかりやれているし、重量差を生かせれば戦えるはず」と師は力強く結んだ。先週5月30日には坂路4F50秒6(馬なり)と出来に陰りはない。3歳馬初挑戦→初Vの快挙なら、秋のG1獲りがはっきり視界に入ってくる。

 ≪昨年はリアルが快挙≫3歳馬が6月中に古馬混合重賞を制した代表例は昨年の安田記念(6月5日)のリアルインパクト。NHKマイルC3着をステップに、4歳以上の定量58キロ(牝馬56キロ)より4キロ軽い54キロを生かし、3歳馬としてレース史上初Vの快挙を飾った。02年函館スプリントS(6月30日)ではサニングデールが別定52キロで優勝。06年マーメイドS(6月18日)でソリッドプラチナムが49キロの軽ハンデで制した例もある。当時トップハンデのヤマニンシュクル(8着=57キロ)とは8キロ差もあり、軽量は古馬撃破の原動力になっている。

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2012年6月6日のニュース