【南部杯】トランセンド50秒1!凱旋V決める

[ 2011年10月6日 06:00 ]

<南部杯>坂路で好時計をマークしたトランセンド

 今週は3日間の変則開催。JRA主催の交流G1として10日開催する「南部杯」など3重賞の追い切りが美浦、栗東両トレセンで行われた。その南部杯組ではドバイワールドC2着の実績を引っ提げ、凱旋レースとなるトランセンドが坂路で圧巻のパフォーマンス。安田厩舎の2週連続G1制覇が現実味を帯びてきた。

 ドバイに歓喜の日の丸が揺れてから約6カ月。ドバイワールドCで2着に逃げ粘り、ヴィクトワールピサとの日本馬ワンツーフィニッシュの快挙を演じたトランセンドが、日本復帰戦へ迫力満点の動きを披露した。坂路単走で4F50秒1。この時計も凄いが、そのペースで行ってラスト1Fも11秒8と驚がくのタイムでまとめて見せた。数字が仕上がりの良さを表した形だ。

 「しまいは11秒台で上がってくるように指示した。さすがの動きだったね」

 安田師は納得の表情だ。最初の1Fは13秒7とどちらかと言えばセーブ気味。決してテンからぶっ飛ばしたわけではない。それでもハロンごとに速いラップを刻んで行き、最後の2Fは11秒9―11秒8とさらに加速してのフィニッシュだった。

 指揮官は状態の良さを自信たっぷりに言い切る。「トランセンド特有の追い切りで、競馬の1週前にポリトラックで目いっぱいやって破格の時計(6F73秒9)だった。今週は坂路でしまい重点」と青写真通りの調教ステップを踏んだことを強調した。

 管理馬のカレンチャンが、先週スプリンターズSでG1獲りを果たしたばかり。ワールドクラスの怪物ロケットマンを倒した日本馬の馬名は、即座に世界のホースマンに知れ渡った。厩舎に吹く追い風。「いい形で南部杯を迎えることができる」と話す表情には余裕が感じられる。

 さらに今後のローテーションにも触れて「JBCクラシック(11月3日)を視野に入れてJCダート(12月4日)を使う。年明けはフェブラリーSからドバイへ」と先の先にあるのが、2年連続のドバイワールドC挑戦だと公言した。地方交流、中央、海外とオールG1。まずはここで3つ目のタイトルを奪取する。

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2011年10月6日のニュース