【安田記念】叩き良化で“前途ヨーヨー”

[ 2011年6月1日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・31日】坂路の小スタンドには、橋口師と音無師が常駐している。固い友情で結ばれた実績トレーナー2人の軽妙な掛け合いは、熱心な競馬ファンならおなじみのはずだ。

 リディルは谷川岳Sを制して賞金を加算。海外馬の辞退もあったため安田記念18番目に滑り込んだ。「骨折で長く休んだけど、よく立ち直ってくれた。G1に出られるんだから」と橋口師。2歳時に頭角を現した時は、世代トップクラスに数えられた逸材。ハイレベル4歳世代の“遅れてきた大物”になるか。

 「期待はするが、G1だから楽じゃない。“ダノンヨーヨー”とかを負かさなければならないんだから」

 その馬名を言う時だけ、聞こえよがしに橋口師の声のトーンが上がった。

 音無師は苦笑しながら「アパパネもいますよ」と返答した。アパパネが、ではないところに上位を争おうという自負がにじんでいる。その後、ダノンヨーヨーの取材に移って、音無師に前走(マイラーズC3着)以上の出来を確認。仙波が余談がてら「馬名はオモチャのヨーヨーじゃないんですね。中国語表記(錦?前程)を見て“前途洋々”のことだと気づきました」と振ると、トレーナーは「馬名なんだから、前途洋々の洋々に決まってるだろう」と一蹴。「叩き良化で前途洋々ですか?」との問いには苦笑して答えず「流れが速くなればなるほどヨーヨーにはいいな」と結んだ。ヨーヨーのように振れば必ず返ってくる、この場での取材はいつも有意義だ。

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2011年6月1日のニュース