【ヴィクトリアM】ブエナ豪脚見られず…松田博師「動きは関係ない」

[ 2011年5月12日 06:00 ]

<ヴィクトリアM>CWコースで追い切るブエナビスタ

 お世辞にも褒められた動きではなかった。降りしきる雨の中、CWコースで行われたブエナビスタの最終追い切り。元気良く馬場入りして…まではいつも通りだったが、いざスタートするといつになく行きたがる。鞍上が必死に抑えたもののスタミナの消費は避けられず、いっぱいに追われたラスト1Fは脚色がかなり乱れた。重馬場を考慮すれば6F83秒9~12秒9の時計は悪くないが、インパクトは直後を走っていたマルセリーナの方が断然上。それでも松田博師の表情に焦りはなかった。

 「先週が速すぎたし、きょうはしまいだけのつもりやった。ちょっと速かったけど、年をとったのもあるし、動きは関係ないやろ」

 力強い口調で、周囲の不安を一層。さらに指揮官は「ローテが強行だった昨年よりも今年の方が順調やで」とまで言い切った。そのローテーションに関して注目すべき点は、ドバイ遠征の前後に分けて2つある。

 1つ目は、ドバイ遠征前に京都記念を使った昨年に対し、今年は有馬記念から直行だったこと。そして2つ目はドバイ遠征後の着地検疫の場所。昨年は宮城県・山元トレセンだったが、今年は滋賀県・ノーザンファームしがらき。1カ月の間に往復2回の長距離輸送を挟んだ昨年に比べて、ブエナビスタへの負担が少なかったことは言うまでもない。はっきりとした根拠があっての「昨年以上」なのだ。

 負けられない一戦だと、指揮官も痛いほど理解している。ドバイWCは展開が向かなかった上、馬群をさばき切れず8着に沈んだが「あれは運が悪かった。度外視できる」ときっぱり。その点、今回は紛れが少なく、かつ広い東京に舞台が移る。「マイルは気になるとはいえ5戦5勝だし、(直線の長い)東京なら十分でしょ。(道悪の)馬場もどうこう言ってたら勝てないし、何でもござれ。岩田に全部任せます」と力強く締めくくった。

 初騎乗の岩田も、指揮官と同じく自信に満ちた口ぶりだ。「これだけの馬に乗せてもらって光栄です。自在性があって乗りやすそうですし、本当に素晴らしい脚を持っていますからね」。陣営の視界は、五月晴れのごとく良好。6つ目のG1奪取で“女王は1人だけ”を証明する。

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2011年5月12日のニュース