【皐月賞】フォーム良化で一変!オスマン“一発ムード”

[ 2011年4月20日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・19日】どこか例年と違う空気が流れていた。栗東トレセンは皐月賞ウイークだというのに肌寒く、にわか雨が頻繁に降るおかしな天候。取材も一筋縄ではいかない。上岡が調教スタンド2階へ上がると、松永昌師が坂路モニターに熱い視線を送っていた。向けられた先はエイシンオスマンだ。ポリトラックコースから坂路へ。

 「元気だからね。中1週でも体は維持している。輸送してどうかだけどイライラした馬じゃないから。あとは距離がどうかだね」

 昨年の2歳時は気難しさが目立ち、距離が延びて良さが出るイメージは湧かなかった。2走前のスプリングS5着時も、前走のニュージーランドT1着時も12番人気の低評価。何が変わったのか。トレーナーは「放牧に出したのが良かった」と振り返る。「口向きの悪さが直ってきた。以前はもたれたり、首を伸ばして変なフォームで走っていた。それが時間をかけて乗り込んで、フォームが良くなってきた」

 昨年のJRAブリーズアップセールで3000万円の最高額で落札された素質が開花してきた。当時、平井豊光オーナーから松永昌師は「“ええの買ったから頼む”と直接言われた」とか。決戦へ向け「開幕週の馬場はいいと思う。前々で運ぶ馬だから内枠でも当たれば」と前を向く。上岡が「おっ、色気ありですね」と振ると、ニヤリとこう切り返した。「色気がないと使っても仕方ないよ」

 高速馬場で展開上怖いのは人気薄の前残り。その可能性を秘めた1頭だ。

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2011年4月20日のニュース