首都圏場外が再開!ファン行列に飲食店街も活気

[ 2011年4月17日 06:00 ]

営業を再開したウインズ後楽園

 JRAは16日、東日本大震災以降、中止していた関東地区のウインズなどでの勝ち馬投票券(馬券)の場外発売業務を再開した。阪神、小倉の両競馬の後半6レースに限定しての発売となったが、帰ってきた競馬ファンにウインズ周辺の飲食店街も活気を取り戻した。

 東京都墨田区のウインズ錦糸町東館に、スポニチ本紙や競馬新聞を手にした競馬ファンが次々と吸い込まれていった。関東地区での場外発売は3月6日以来で41日ぶり。午前10時の営業開始前には、約300人が行列をつくった。

 レースを映し出す一部のモニターには「終日、放映を休止いたします。ご了承ください」と書かれた張り紙が張られ、館内の照明は通常より抑え気味。それでも60代の男性は「やっと再開してくれたね。当たり外れより予想してここで実際に買うのがいいんだよ」と笑顔を見せた。

 震災発生以降、馬券の発売はインターネット、電話投票に限定され、今月9日に新潟競馬場と高崎場外で発売を再開。16日は首都圏にも広がり、後楽園、錦糸町、浅草などの14のウインズと、東京、中山競馬場で再開された。ウインズ新宿は壁面や柱にヒビが入っており、点検検査が続いているため、再開が見送られた。

 周辺の飲食店も活気を取り戻した。台東区浅草のウインズ浅草近くの居酒屋「二丁目」では、常連客が、テレビの競馬中継を食い入るように見つめた。店主の大木忍さんは「久しぶりににぎわってます。最近はG1でもこんなに人は来ない。再開を待っていた人が多かったんだと思いますよ」と話した。

 周辺には数十軒の居酒屋があるが、場外発売を中止している間は客足はまばらで、土、日曜日に店を閉めるところもあった。大木さんは「やっぱりウインズが開かないと厳しいですよ。お客さんは競馬ファンが多いですし、売り上げは半分以下に落ち込んでいました。でも、これでやっと一息つけるかな」。

 JRAでは、首都圏の電力事情に配慮し、ウインズの発売・払戻時間を短縮するほか、発売レースの制限や照明、モニターの消灯などの節電措置を取っている。小畠薫広報担当理事は「お客さまにご不便をおかけする中での再開となりましたが、特に各所で混乱もなく無事再開初日を終了することができました」とコメントした。

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2011年4月17日のニュース