【フェブラリーS】コスモファントム砂でもOK

[ 2011年2月16日 06:00 ]

<フェブラリーS>芝だけでなくダートでも対応できる「2つの顔」を持つコスモファントムが5歳勢に挑む

 強力4歳世代が波乱の主役となる――。「第28回フェブラリーS」は確たる軸が不在。芝から参戦のコスモファントムに不気味なムードが漂う。ダートでの実績では一歩譲るが、陣営は高い適性を確信。状態の良さを武器にダート界へ殴り込みをかける。

 コスモファントムは芝路線からの転戦だ。行き詰まっての選択ではない。中山金杯1着、AJC杯4着と結果を残してきた。そこでダート。しかもG1。近年はなかなか見られないシフトチェンジでも、宮師は確かな手応えを感じている。

 「ダートに向く硬めのさばき。それでいて芝のスピード競馬にも対応できる。苦手なものが少ない馬。あとはマイルがこなせるかどうか」

 中距離主体のローテーションだったとあって距離への不安こそ口にしたが、ダート適性は十分との見解だ。初勝利はダートながら、芝に転じてラジオNIKKEI杯2歳Sでヴィクトワールピサと首差の2着。さらに京都新聞杯2着。ハイレベルの現4歳世代の中で好走してきた。そしてダートでも交流G1ジャパンダートダービーで2着と、一線級相手でも軽くは扱えないだけの実績を残している。

 昨秋は状態ひと息だったが、短期放牧を挟んで立て直したここ3走は抜群の安定感を見せてきた。状態の良さは歩様に表れている。トレーナーが「凄く柔らかみが出てきた」と驚くほどだ。柔らかいとは、それだけ体をしっかり使えているということ。馬にとって好調のサインだ。その陰には陣営のサポートがある。担当の後藤厩務員は朝昼2回、マイクロレーザーによる肩と腰の電気治療を欠かさない。繊細なケアにより好調が保たれている。連戦の中も反動は皆無。火曜朝は残雪の中、坂路を4F64秒2で元気良く駆け上がった。状態は良好だ。宮師の言葉も不安より期待の色が濃い。

 「具合はいいから、マイルに対応できるかできないかだけ。G1となるとやっぱりメンバーも違うから。でもダート適性はホントある。それでカバーできるかなという気はしているんだけど」

 新世代のダート王候補は静かにツメを研いでいる。

 ≪驚異の4歳世代≫明け4歳世代の強さは驚異的だ。昨秋に行われた古馬限定のG1では、エリザベス女王杯をスノーフェアリー、JCをローズキングダム、有馬記念をヴィクトワールピサが制して計3勝。今年に入ってからの古馬重賞でも日経新春杯をルーラーシップ、京都記念をトゥザグローリーが勝つなど計4勝。近年にない活躍を見せている。

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2011年2月16日のニュース