【京成杯】“暴れん坊”フェイトフルウォー重賞初制覇!

[ 2011年1月17日 06:00 ]

<京成杯>デボネア(10)の猛追をハナ差しのいだフェイトフルウォー

 個性派スター候補の登場だ。今年のクラシックを占う3歳重賞「第51回京成杯」が中山競馬場で行われ、2番人気のフェイトフルウォーが直線で内を伸びて重賞初制覇。返し馬で放馬しながら新馬戦を勝ったクセ馬が、その能力の高さを示し、クラシックに名乗りを上げた。

 ゴール前は際どい一騎打ち。内を突いたフェイトフルウォーか、馬場中央を伸びたデボネアか。かわされかけたフェイトフルがグイッとひと伸びしたところがゴールだった。長い写真判定の末に勝利が確定すると、田中勝は「うまく出たところがゴールだったね」と会心の笑み。開業14年目で重賞初制覇となった伊藤伸師は「よかった。ホッとしました」と感慨深げな表情を浮かべた。

 デビュー4戦目での重賞V。しかし、陣営はまだ能力を出し切っていないと言わんばかりだ。「ゲートの入りが悪かった」「リングバミに換えたことはマイナスにはなっていないが…」(伊藤伸師)「直線で抜けたらフワッとしちゃった」(田中勝)。新馬戦の返し馬で放馬しながら、レースでは先行策で勝利をものにした。師は「ずる賢くて、人の言うことを聞かない。放馬はしたけど、何も分かってない新馬戦が一番あか抜けたいい競馬をしてくれた」と苦笑いを浮かべた。

 それでも少しずつ競馬の形は常識にかかってきている。2戦目は他馬と接触して怒り、3戦目はハミを取らずに道中は後方をついて回っただけ。田中勝は「前走があまりいい競馬じゃなかったので出していった」と、この日は意識的に先行策を取った。そのため掛かり気味になったものの、好位の内で何とか我慢が利いたのは大きな収穫。それが最後の踏ん張りにつながった。デビューから手綱を取る鞍上は「成長してきてはいる」と手応えを示した。

 具体的なスケジュールは未定だが、今後はクラシックを目指す。強さと危うさを併せ持つ個性派。師は「ポテンシャルをいい方向に持っていかないと」と気を引き締めた。春に待つ「重大な戦い(フェイトフルウォー)」に向け、陣営の試行錯誤は続く。それが実を結んだ時、この馬にさらなる大きなタイトルが舞い込んでくるに違いない。

 ◆フェイトフルウォー 父ステイゴールド 母フェートデュヴァン(母の父メジロマックイーン) 牡3歳 美浦・伊藤伸厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績4戦2勝 獲得賞金5870万8000円。

 ≪重賞初制覇≫伊藤伸師は、JRA重賞25回目の挑戦で初タイトルを手にした。これまでの重賞は、08年函館2歳S(アイアンデューク)、10年東スポ杯2歳S(フェイトフルウォー)のそれぞれ3着が最高着順だった

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2011年1月17日のニュース