【JC】名伯楽&ジョシュアツリーが“本気モード”

[ 2010年11月23日 06:00 ]

強めの調整をするジョシュアツリー

 名伯楽が送り込む刺客が怖い。今週は競馬の祭典「第30回ジャパンC」が東京競馬場で行われる。史上最強の豪華日本勢に対し、外国馬も大挙8頭がスタンバイ。特にエイダン・オブライエン師(41)が出走させるジョシュアツリーに“本気モード”が漂う。千葉・白井のダートコースで本追い切り(24日予定)前に“時計”を出す意欲的なメニューを消化。日本初制圧を狙っている。データBOXはブエナビスタに◎が並んだ。

【ジャパンC
追い切り
データBOX


 国内ファンを震かんさせたメアジードーツの快走から30年。今では日本馬の独壇場となったジャパンCに久々に外国馬が集結した。8頭は9頭出走した03年以来の多さ。目玉は世界を席巻する名トレーナーのエイダン・オブライエンが送り込む3歳馬ジョシュアツリーだろう。10月16日のカナディアン国際Sでモアズウェルズの追撃を退けてG1初優勝を飾ると、ブリーダーズCに見向きもせず、早々とジャパンCを視野に。17日の来日後は千葉・白井の競馬学校で順調に調教を積んできた。

 22日は多くの報道陣が見守る中、パワフルな動きを披露した。かつて、名馬イェーツ(06~09年アスコットゴールドC4連覇)も担当した本木剛介厩務員を背に5F71秒7~1F11秒8でダートコースを疾走。首をグッと下げ、重心の低い理想的なフォーム。同行したコマフォード助手は「とてもフレッシュで調教も予定通りにこなしている。今のところ、すべての面で満足しているよ。きょうは強めかって?しっかりキャンターさせたが、特別な調教ではなくいつも通りだ」とキッパリ。輸送を無事クリアし、異国の地の環境にもなじんでいる。
 前走快勝したカナディアン国際SはジャパンCの褒賞金対象レース。今回優勝すれば、1着賞金2億5000万円&褒賞金1億円で計3億5000万円。しかし、陣営の目的は円高が続く“ジャパンマネー”ではない。「ボーナス目当てで連れてきたわけではない。今年3走しかしていないので適当なレースを探していたが、それがジャパンCということ!!」。本気でこのレースを勝ちに来たのだ。
 プレレーティングの「116」は首位ナカヤマフェスタの「127」に遠く及ばないが、世界にアンテナを張り巡らせているオブライエン師がノーチャンスで送り込むはずがない。99年ジャパンCで4着に敗れた父モンジューの雪辱も懸かる一戦。勢いでは日本馬にも負けない“世界の刺客”から目が離せない。

 ◆エイダン・オブライエン 1969年10月16日、アイルランド生まれの41歳。調教師の家庭に育ち93年に障害調教師となり、5年連続で障害リーディング。97、98年を除き常にリーディング1位。01、02年は英リーディングにも輝く。01年は欧州の78のG1レース中、22レース優勝。管理馬を日本に出走させたのは04年JC(パワーズコート10着)のみ。07年JCを目指した凱旋門賞馬ディラントーマスは来日後に検疫の不備で出走できなかった。

 ▽馬名の由来 アイルランド出身のロックバンド・U2のヒットアルバム「ザ・ジョシュアツリー」から。生命力が強く砂漠にそびえる唯一の木。ジョシュアツリー国立公園は米国カリフォルニア州南東部に位置し、その中の高地にあるモハーヴェ砂漠はジョシュアツリーの特別な棲息地。

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2010年11月23日のニュース