【函館2歳S】エーシンジャッカル強行突破で12秒6

[ 2010年8月6日 06:00 ]

エーシンジャッカルはしまい重点の追い切り

 函館2歳Sの木曜追い。エーシンジャッカルが札幌のダートコースで上々の動きを披露した。同馬を管理する野元師は来年2月に定年となるだけに、ラストサマーに懸ける陣営の気合は相当なもの。世代初の重賞Vは譲れない。

 絶妙のさじ加減だ。エーシンジャッカルは札幌から函館へ2度目の輸送競馬。しかも中1週とあってソフト仕上げ。ダートの単走で4F55秒4~1F12秒6。最後は上々の伸び脚を披露した。小滝助手は笑顔で振り返った。「しまいは少しやりたかったので軽く仕掛ける感じ。ちゃんと反応してくれた。前走の追い切り後はちょっと疲れた感じだったけど、きょうは元気がいいね」
 前走の追い切り後は馬への負担を考え、引き馬での上がり運動を行ったが、今回は乗り運動で負荷を掛けてのクールダウン。栗東でゲート試験に合格してから函館、札幌と、輸送続きの強行軍ではあるが疲れは全く見られない。2歳馬とは思えないタフさだ。
 デビュー前には内臓の弱さから軟便気味の日が続いて、治療所に通ったこともあった。今やそうした面も解消されて、見た目にはむしろ幼さから縁遠い。「普段は幼いところもあるが、走りだすとしっかりしていて大人びたところがある。まだ2走目で分からない面もあるけど、癖はないし変な競馬をする馬ではない」。新馬戦は直線でいったん後続馬にかわされながら、ゴール前で差し返すという味な内容。現時点での完成度は高い。
 野元師は来年2月に定年を迎える。「先生にはもう10年やってほしい」と慕う小滝助手も、厩舎最後の夏だけに力が入っている。「新馬を勝って2歳Sに使えるなんてことはそうそうない。いいところを見せたいね」。アピールポイント満載の素質馬が札幌から決戦の地へ乗り込み、函館の週末を熱くする。

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2010年8月6日のニュース