【チューリップ賞】底が見えん!ワイルドラズベリーに期待

[ 2010年3月3日 06:00 ]

中尾秀正調教師とワイルドラズベリー

 紅梅S快勝で弾みをつけたワイルドラズベリーが桜花賞トライアル・チューリップ賞で重賞初制覇を狙う。勢いはもちろん、実力十分の根性娘。女王アパパネが相手でも陣営の期待度は高い。

 キャリア3戦、まだ底が全く見えない。ワイルドラズベリーの前走・紅梅Sは、そう思える勝ちっぷりだった。道中は絶好の手応えで4、5番手を追走。直線、ゴーサインに瞬時に反応すると、グイグイ伸びてゴールへ。前で食い下がるアイアムルビーをとらえて一気に突き抜けた。中尾師が笑顔で振り返る。
 「前走は追い出しを待つ余裕があったし、ゴール前もまだ楽な感じ。強かったね。去年の夏の新馬戦のときも内の狭いところを抜け出してきたし、モマれる形になっても大丈夫。いい根性をしているよ」
 レースセンスの良さを余すところなく発揮し、ほぼ満点と言える内容でオープン特別をクリア。しっかり賞金を加え、桜花賞戦線につなげてきた。
 「レース運びがうまいよね。行きたがるところはあるけど、そこから我慢できるのがこの馬のいいところ。追い込み一辺倒の脚質でもないし、スタートが上手だからスッといいポジションを取れる」
 過去3戦で唯一の黒星は2走前の白菊賞2着。勝ったアグネスワルツ(骨折、休養中)も早くから重賞級と評判になっていた好素材だ。0秒3、及ばなかったが「他馬と接触してポジションが悪くなっていなければ、もっときわどかったと思う」と中尾師。G1馬アパパネなど、相手強化となる今回の一戦でもトレーナーからは不安より期待の大きさが伝わってくる。
 「稽古では馬場が悪い時間帯でもパワーがあるからよく動くんだよ。相手は強いけど、この馬自身も着実に力をつけているし、好勝負できるんじゃないかな」
 桜花賞出走への賞金は足りている。ただ、出るだけが目標ではない。勝って本番へ。陣営はそのようなシーンを思い描いている。

続きを表示

2010年3月3日のニュース