【朝日杯FS】ヒットジャポット一発長打の予感

[ 2009年12月16日 06:00 ]

ポリトラックスコースで調整するヒットジャポット

 2歳チャンピオン決定戦「朝日杯フューチュリティS」の注目穴馬はヒットジャポットだ。見た目はスリム、調教でも目立たず…だが、出世レースの前走・千両賞を鮮やかに差し切り、ここへ駒を進めてきた。典型的な実戦タイプで混戦なら出番も十分。同馬を送り出す領家師は、昨年のセイウンワンダーに続く連覇がかかる。

 ヒットジャポットを送り出す領家師は昨年、セイウンワンダーで朝日杯FSを制覇している。連覇だ!!と大きくブチ上げるかと思いきや「正直、昨年ほどの手応えはないな」と取材陣を肩透かし。そう言いながらも、一方で野心も見え隠れする口ぶり。
 「2歳のことだし、チャンスがないわけではない。(上位の)固まりの中に来るかもしれない」
 ベテラントレーナーの心を揺らす“何か”が、この馬にはある。まず、前走の500万(千両賞)を勝ったこと。休み明け、しかも昇級戦で5番人気だったものの、道中じっくりタメて直線一気に差し切った。
 「短期放牧明けで、次につながる競馬をと思っていたら勝ってしまった。しかも、これまでは前々で競馬をしていた馬が差しに回ってだからな。うれしい誤算だったよ」
 勝ったのに“誤算”という意外性。陣営も、この馬の器を計りかねているらしい。「見た目はヒョロッとしていて走るのか走らんのか…。調教でも決して良くは見せないが、併せ馬をすると必ず首か頭か先着するんだよな」と領家師が腕組みして首をひねるほどだ。
 火曜朝はポリトラックコースを1周半のメニュー。服部助手に聞いても「馬はおとなしいですよ。調教では、どこが限界か分からないタイプ」と言う。セイウンワンダーは昨年出走時は514キロ、筋骨隆々で闘志むき出しのファイターだった。ヒットジャポットは見た目はスラッとして落ち着き十分。昨年とは何から何までタイプは違う。だが、指揮官は、この馬の“奥行き”に期待する。
 「未勝利の時も崩れなかった。馬込みも平気。レースに行っていい馬だな。ここで、どれぐらいのものか分かるんじゃないか」
 典型的な実戦型。まだ見えていない底は、陣営の想像以上かもしれない。

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2009年12月16日のニュース