【JC】ルメール「きょうはウオッカがチャンピオン」

[ 2009年11月29日 16:08 ]

 “ルメール・マジック”でウオッカが輝きを取り戻した。ハナ差の接戦を制して劇的な復活劇。秋2戦の不完全燃焼、距離の不安すべてを吹き飛ばしG1・7勝目を挙げた。

 道中は5番手の好位追走。「行きたがる面もあったが、我慢させた」。ルメールは最後の爆発力を極限まで高めるため折り合いに専念した。「直線は長い距離があるので、心配だったが応えてくれた」。その言葉通り余力たっぷりに4コーナーを周回。徐々にギアを上げながら加速。残り2ハロンを過ぎたところで一気に爆発。トップスピードで抜け出した。

 「内田さんが強い馬に乗っているので心配だった」とルメールが警戒していたオウケンブルースリが強烈な末脚でゴール前迫り、最後はほぼ同時にフィニッシュ。写真判定は5分以上に及んだ。検量室はまるで、昨年の天皇賞・秋を思い出させる緊張感が漂った。

 掲示板に「5」の確定ランプが1着に灯った。その瞬間、ウオッカを担当する中田調教助手は人目をはばからず号泣。その涙が、ウオッカ陣営の計り知れないプレッシャーを物語っていた。

 ウオッカに7個目のG1タイトルをもたらしたルメールは「ベリーハッピー」を連呼して、喜びを表現。「乗れたことを感謝しています。きょうはウオッカがチャンピオンだと思う。アリガトウ」と最高の笑顔を見せた。

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2009年11月29日のニュース