【北九州記念】酒井騎手7年10カ月ぶり重賞頂き!

[ 2009年8月17日 06:00 ]

<北九州記念>会心の抜け出しを見せるサンダルフォンと酒井学騎手(左)

16日、小倉で行われたサマースプリントシリーズ第3戦「第44回北九州記念」は8番人気の伏兵サンダルフォンが直線鋭く突き抜けた。鞍上・酒井学騎手(29)は7年10カ月ぶりの重賞制覇を果たした。

 【北九州記念】忘れられない夏になる。北九州記念でスピード争いを制したのは、酒井学騎乗のサンダルフォンだ。酒井は2日のJRA通算100勝に続き、今度は01年カブトヤマ記念(タフネススター)以来、約7年10カ月ぶりの重賞制覇を小倉で決めた。「重賞は前にいつ勝ったか、というぐらい久しぶりなので、うれしいですね」。久々の美酒に表情は少し上気していたが、落ち着いて答える。彼の冷静な戦略と判断がサンダルフォンを勝利に導いた。
 「騎乗が決まった時から小倉の芝にどう対応するか考えていました。1200メートルだと行き脚がつかないと聞いてましたが…」。この馬は末にいい脚を使うが、二の脚がいまひとつ…が陣営の見立て。ところが、叩き3戦目で出来も最高潮にあった今回、上々のスタートを切ると中団につけられた。「思った以上にすんなりついて行けましたね。手応えも良く、前が空くとすぐに反応しました」
 前日の雨がすっかり乾いた良馬場。少々速いペースで行っても、オープン馬なら簡単に止まる馬場ではないことを酒井は承知していた。内カノヤザクラ、外レディルージュ。近くにいた有力馬より一瞬先んじる強気の仕掛けだ。「しまいは確実に切れますから。それをしっかり生かせました」。機先を制して得たリードをゴールまで保ち、後続を振り切った。この騎乗を松永幹師は「位置取りが良かったし、うまく乗ってくれたね」と絶賛した。
 「充実の夏です。この波に乗って、また1つ1つ勝ち星を積み重ねたい」。デビュー12年目。中堅の域に入った酒井は、今夏の小倉をバネに一層の活躍を誓った。6歳夏にして重賞初制覇を飾った遅咲きサンダルフォンは、サマースプリントチャンプに照準を定めてセントウルS(9月13日、阪神)に向かう。

 ◆酒井 学(さかい・まなぶ)80年(昭55)2月4日生まれの29歳。新潟県出身。98年3月に栗東・二分厩舎所属で騎手デビュー。現在はフリー。重賞勝ちは01年カブトヤマ記念に続く2勝目。血液型A。

 ◆サンダルフォン 父サクラバクシンオー 母コウユーラヴ(母の父ジェイドロバリー)牡6歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・ノースヒルズマネジメント 生産者・北海道日高町滝本健二氏 戦績30戦6勝 総獲得賞金1億3564万3000円。

続きを表示

2009年8月17日のニュース