ゴーカイ“障害専門サイヤー”の地位築けるか

[ 2008年6月17日 06:00 ]

 【藤井正弘の血統トピック】14日の東京ハイジャンプはテイエムエースの独壇場だった。最終障害の飛越を挟んでの上がり36秒9は驚異的で、障害界の新星誕生と言っていいだろう。父のテイエムオペラオーにとっては、同レースで5着に逃げ粘ったテイエムトッパズレに続く2頭目の重賞ウイナー。生産部門では鳴りを潜めていた世界の賞金王だが、これで障害リーディングの首位に躍り出ることとなった。障害血統としての属性が明らかになった今後は、産駒のリサイクルがより活発化するに違いない。

 種牡馬テイエムオペラオーとともに、このレースで一躍脚光を浴びたのが3着に追い込んだオープンガーデンの父ゴーカイ。中山グランドジャンプなど重賞4勝を挙げ、JRA賞最優秀障害馬に2度輝いた名ジャンパーである。
 一般に障害馬をイメージして生産されるサラブレッドはいない。それだけに、いかに優れた障害馬であっても種牡馬として供用されるケースはまれで、グランドナショナルに挑戦したフジノオー、中山大障害4勝のグランドマーチスといった歴史的ジャンパーに限られている。ましてや産駒を重賞に送り込むとなると至難の業。わずかに81年の最優秀障害馬テキサスワイポンが90年の東京障害特別5着馬アサクサステージを出した例があるくらいだ。
 半弟ユウフヨウホウも中山大障害勝ち馬というゴーカイには、血統的にも“障害専門サイヤー”のパイオニアとなる資質が認められる。父子2代の重賞ジャンパーが現れる日もそう遠くはあるまい。(サラブレッド血統センター)

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2008年6月17日のニュース