高速アトム押し切り相撲/ガーネットS

[ 2008年1月14日 06:00 ]

第12回ガーネットステークスを制したタイセイアトム(左端)

 中山では今年が最後になるダート重賞「第12回ガーネットS」が行われ、昨夏矢作厩舎に転厩した3番人気タイセイアトムが逃げ切りで重賞初制覇を飾った。

 鮮やかなダートの新星誕生だ!!新コンビの吉田豊を背に、タイセイアトムは大外16番から迷わずハナを奪った。前半3F33秒1の猛ラップもどこ吹く風。4コーナー手前で一気にスパートすると、後続がちぎれていき、2馬身差の完勝で重賞初Vをつかんだ。
 この日7Rで達成した通算700勝(現役14人目)に花を添えた吉田豊は「スタートも良かったし、スピードありますね。直線で手前を替えたとき、もうひと伸びしたので大丈夫だと思った」と新パートナーの“弾丸”のようなスピードを称えた。
 開業4年目の気鋭・矢作師の手腕も見事だった。昨年、スワンS(スーパーホーネット)で重賞初制覇し勢いに乗ると、年間33勝で優秀調教師、同厩舎スタッフ賞を受賞。昨年7月、安藤正敏厩舎の勇退に伴い、引き継いだ同馬をプールで丹念に鍛えた。転厩後、4戦3勝で一気に重賞ウイナーに。京都でテレビ観戦した矢作師は「うちに来てから体が20キロ近く増えたが適正体重だと思う。鍛えて実が入ったんでしょう」と声を弾ませた。
 次走は根岸S(2月3日、東京)を予定。「将来的には大きいところ(G1)を狙いたいね」と同師はキッパリ。通算26戦目で初タイトルを獲得したアトムの夢は膨らむ。
 ▼タイセイアトム 父サクラバクシンオー 母アトムチェリー(母の父ヘクタープロテクター)牡5歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・田中成奉氏 生産者・北海道新ひだか町嶋田牧場 戦績26戦6勝 総収得賞金1億2469万3000円 重賞は初制覇。536キロはこのレース従来の記録を20キロ上回る最高馬体重優勝馬。

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2008年1月14日のニュース