アマ5冠の但馬がプロテスト合格「日本で一番強いヤツを倒して海外へ」
ボクシングの全日本選手権ライトヘビー級2連覇などアマチュア5冠を誇る但馬ミツロ(25=緑)が21日、都内でプロテストを受験し、B級ライセンスを取得した。筆記試験後、A級ボクサーの大和藤中(34=金子)を相手に3分×3ラウンドのスパーリング。見事に合格した但馬は「ボクシングを始めたころにPCの前で憧れていたプロの世界の入口に立てたことは感慨深い。いろんな感情があります」と笑顔を見せた。
日本人の父とブラジル人の母を持つ。東京五輪を目指していた時期もあったが、日本国籍取得や故障などもあり、このタイミングでのプロ転向を決断。アマ時代はライトヘビー級で全日本選手権、国体で計5度優勝と活躍したが、通常体重は100キロ前後で20キロ近い減量を強いられていた。自身は適正階級をクルーザー級(90.7キロ)と考えているが、国内には選手がいないため、「この国で、日本で一番強いヤツを倒してから海外に出ていきたい」と、ヘビー級に挑戦。増量中の体重は120キロ、2018年10月以降は実戦から遠ざかっていたとあって自己評価は「本来が100だとすれば、30ぐらい」という状態もパワーだけでなく、スピードやテクニック、スタミナも披露し、実力の片りんを見せつけた。
デビュー戦は6月か7月を予定しており、その前に海外でのスパーリング合宿も計画中。「アメリカ、オーストラリア、ロシア…デカくて強いヤツがゴロゴロしているところにいきたい。最近は本気で殴っていないので楽しみ」と笑う。
生後2カ月に父親を亡くし、母マリアさんが女手一つで育ててくれた。「いろいろなモチベーションはあるけど、母に恩返ししたいというのが一番」と但馬。世界王者という夢のスタートラインに立った。
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