天笠が引退表明 判定負けで３つめの王座獲得ならず「やりきった感は強い」
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ボクシングのＷＢＯアジア・パシフィック・フェザー級王座決定１２回戦は２９日、東京・後楽園ホールで行われ、同級４位の天笠尚（３１＝ＦＬＡＲＥ山上）は同級５位リチャード・プミクピック（２７＝フィリピン）に０―３の判定で敗れ、日本、東洋太平洋に続くフェザー級３つめの王座獲得はならなかった。
天笠は試合後、「この試合で引退ということになると思うけど、やりきった感は強い」と引退を表明した。プロ通算４２戦３３勝（２１ＫＯ）７敗２分け。新王者のプミクピックは３０戦２０勝（６ＫＯ）８敗２分け。
長いリーチなど体格差を生かせなかった。プミクピックの飛び込むように振ってくる左右のフックをことごとく被弾。先に手を出し、打ってはクリンチする相手を持て余し、ジャブがほとんど打てなかった。接近戦でボディーを打たれて試合中に右腰を痛め、手数も出せなかった。８回に左ボディーを効かせて相手がぐらついたが、仕留めることはできず、終盤も攻めあぐんだ。採点はジャッジ２人が１１３―１１５、１人が１１１―１１７の完敗だった。
天笠は「相手のパワーが凄く、攻撃の糸口がなかなかつかめなかった。単純に僕が弱かったと思う」と振り返った。ＷＢＡ世界スーパーバンタム級スーパー王者ギジェルモ・リゴンドー（キューバ）に敗れたものの、ダウンを２度奪って世界を驚かせた一戦から今年末で３年。なかなか次のチャンスが巡って来ず、心と体のバランスが崩れ始めていたという。その矢先にＷＢＯ世界ランキング入りを狙える王座決定戦の話をもらい、「ボクシング人生の分岐点にしようと思っていた」と明かした。しかし、「進退に関して大きな意味合いを持つ試合。チャンスをつくってもらったのに結果が出せなかった」と肩を落とし、「普通のボクサーではなかなか経験できないことを経験させてもらった。ボクサー人生としては最高だった」と淡々と話した。
