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アリ氏公葬 クリントン元大統領ら弔辞 世界にネット中継

[ 2016年6月6日 05:30 ]

ムハマド・アリ氏 2005年撮影 (AP)

 3日に死去したボクシングの元世界ヘビー級王者、ムハマド・アリ氏(享年74)の公葬が10日(日本時間11日)に出身地の米南部ケンタッキー州ルイビルで営まれることになった。ビル・クリントン元大統領らが参列し弔辞を読み上げる予定。公葬の模様はインターネット上でも公開される。一方、死因は敗血性ショックだったことも明らかになった。

 アリ氏の家族の代理人によると、呼吸器系の病気でアリゾナ州フェニックスの病院に入院、当初容体は安定していたが悪化、家族にみとられながら3日午後9時10分に亡くなった。共同電によると代理人は「厳粛な瞬間だった」と振り返った。

 公葬は10日午後2時(日本時間11日午前3時)からルイビルのKFCヤムセンターで営まれる。アリーナの収容人数約2万2000人で、世界中から参列者が押し寄せるとみられる。弔辞を読み上げるクリントン元大統領は、アリ氏が最終聖火ランナーを務めた96年のアトランタ五輪開催時に在任していた。インターネット上でも公開されることから、英紙デーリー・ミラー(電子版)は「世界中で10億人が見届けるだろう」と報じた。公葬の前には、アリ氏を追悼するためのパレードが市内で行われる予定。

 国連の潘基文事務総長は4日、アリ氏が1970年代に国連本部を訪れ、アパルトヘイト(人種隔離政策)と人種差別撤廃を訴えたエピソードを紹介し、「平等と平和の世界チャンピオンだ」と功績を称える声明を出した。

 2005年に米国市民に与えられる最も栄誉ある勲章「大統領自由勲章」をアリ氏に授与したブッシュ前大統領は声明で「多くの人々を興奮させ、楽しませた歴史的な人物だ」と評価した。

 市民の追悼の動きも広がった。ニューヨークではボクシングジムにアリ氏の写真が貼られ、各選手は一礼。マディソンスクエアガーデンの電光掲示板にも、アリ氏の笑顔が映し出された。ルイビルでは市民が花をささげ、地元の英雄を追悼した。

 ▽ルイビル ケンタッキー州の西部にある都市。オハイオ川の水運の要所として発展した同州の商業、経済、金融、流通の中心地。伝統的な産業にバーボンウイスキー醸造、バット製造がある

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