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八重樫 下馬評不利も悟り境地「地球が終わってもいいぐらい」

[ 2014年9月5日 05:30 ]

計量パスし、笑顔の八重樫

WBC世界フライ級タイトルマッチ 王者・八重樫東 VS 同級1位・ローマン・ゴンサレス

(9月5日 東京・代々木第2体育館)
 ダブル世界戦の前日計量が都内で行われ、WBC世界フライ級王者の八重樫東はリミットの50・8キロ、3階級制覇を狙う最強挑戦者ローマン・ゴンサレスは50・7キロでともに一発クリアした。初防衛戦のWBC世界ライトフライ級王者の井上尚弥は48・8キロ、挑戦者のサマートレックは48・6キロ、プロ5戦目となるロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太は73・1キロ、メキシコ同級王者のルナは73・4キロでクリアした。

 計量をリミットでクリアした八重樫はゴンサレスとにらみ合うこともなく、淡々と写真撮影に応じた。39戦全勝の最強挑戦者を迎える歴史的な一戦まであと1日となっても、興奮する様子はなし。計量後にサプリメントやゼリーを補給し、桃ジュースなど、ドリンク類をゆっくり胃に流し込んでいく姿も普段の試合前日と変わらなかった。

 終始落ち着いた様子の王者は「ここでジタバタしても仕方ない。悟りです」と冗談めかして笑顔を見せた。 

 上半身の厚みはゴンサレスを上回っていた。肩から首にかけての筋肉の隆起はこの一戦のための厳しいトレーニングを物語っていた。大一番を迎える心境は「あした地球が終わってもいいぐらい」。万全な準備ができたからこその悟りの境地だ。

 海外のブックメーカーのオッズはゴンサレス勝利に1・25~1・30倍、八重樫勝利に3・5~4・0倍をつけている。下馬評はゴンサレスの圧倒的優位だ。「難しいことに挑戦する時、最初に成功する可能性なんて10%以下だと思う。子供が自転車に乗れるようになる時もそう。でも、乗り越えられないものはない」。王者は独自の前向き思考を披露し、八重樫不利説を一蹴した。前売りチケットが完売したファン待望のビッグマッチ。「まあ、何とかなりますよ」。誰よりも楽しみにしているのは八重樫自身のようだ。

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