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村田衝撃の世界デビュー 五輪魂見せた!3戦連続KO

[ 2014年2月23日 05:30 ]

3回、カルロス・ナシメント(右)を攻める村田

ボクシング 73・4キロ契約 村田諒太 4回43秒TKO カルロス・ナシメント

(2月22日 中国・マカオ)
 日本のメダルラッシュに続いた!ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(28=三迫)が中国・マカオでプロ第3戦に臨み、元WBCラテン・スーパーウエルター級王者のカルロス・ナシメント(36=ブラジル)に4回43秒TKO勝ちしてデビューから3戦連続KO勝利。契約する米興行大手トップランク社が主催し、ロンドン五輪金メダリストが3人集まったビッグイベントで海外初勝利をマークした。

 青い闇に浮かぶリング。米国から音響、照明などの機材を持ち込み、聖地ラスベガスと同じ雰囲気を再現した舞台。「凄く落ち着いていて楽しめた」。ロンドン五輪以来の海外の舞台には、冷静な村田がいた。

 序盤から上体を揺らし、リズムよくジャブを突いた。3回。「右ボディーで相手の左のガードがルーズになるのは分かっていた。中から入れれば当たる」。狙い通りの右アッパーでナシメントの顎をはね上げた。ふらつく相手に左フックを浴びせてダウンを奪った。

 その瞬間、昨年大みそかに岡山の祖父母宅のテレビで見たWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチの内山高志―金子大樹戦を思い出した。金子がダウンを奪った後、すぐに仕掛けて空回りし、チャンスを逃したシーンだ。村田はひと呼吸置き左ジャブから組み立て、確実にダメージを与えた。そして4回。連打でレフェリーストップを引き出した。「ジャブからいったので崩せたと思う。ボクシングマニアでよかった」。1発を狙い過ぎるあまりに余計な力が入って苦戦した前戦の反省から練習ではジャブと守りの意識付けを徹底してきた。試合後の無傷の顔が進化を示していた。

 プロとなっても五輪は心の支えだ。「年齢じゃない。成長できると思えるかどうか」。41歳のジャンプ葛西紀明には勇気をもらった。「日本を元気にする特別な力を持っている。そんな存在になりたい」。メダルを逃しても日本中を沸かせたフィギュアの浅田真央からも学んだ。試合前にはロンドン五輪ボクシング銅メダルの清水聡から「負けろ」とメールが来た。五輪の時と同じ親友の激励に「ありがとう」と返した。結果は五輪と同じ勝利だった。

 次戦は5、6月に国内、9月にはシンガポール、来年はラスベガスに進出する予定。そして来年以降の世界挑戦も海外が濃厚だ。「成長してると思った。これからも(海外で)必要とされる試合をしたい」。日本のゴールデンボーイは主戦場となる海外で第一歩を踏み出した。

 ◆村田 諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良県奈良市生まれの28歳。南京都高―東洋大卒。中1でボクシングを始める。高校5冠、全日本優勝5度など国内13冠。11年世界選手権2位、12年ロンドン五輪金メダル。119勝89KO・RSC19敗。昨年4月にプロ転向。1メートル82。家族は夫人と長男。

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2014年2月23日のニュース