宮崎 血まみれ判定防衛 試合5日前には“事件”も…
プロボクシング WBA世界ミニマム級王座統一戦12回戦 王者・宮崎亮 判定 暫定王者ヘスス・シルベストレ
(9月11日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
王者・宮崎亮が血まみれの激闘を制し、暫定王者シルベストレに2―0の判定で2度目の防衛を果たすとともに王座を統一した。
2回、偶然のバッティングで左まぶたから出血すると、シルベストレの回転の速いパンチを浴びる。5、10回にもバッティングを繰り返し、右まぶたからも出血した。「途中、全く見えなくなった。こんなこと初めてで、不安になった」。それでも、左フックや距離を取った後の右ストレートで顔面をとらえた。最後の2ラウンドはふらつく場面もあったが、「根性だけは負けたくないと思った。ギリ、勝ったかなと思いました」。判定は2―0、僅差だった。
今回も減量との戦いだった。経験が少ない夏場の試合。「汗が出ると思ったけれど、逆にしんどくて体が動かない」。8月20日の25歳の誕生日は「こんなに食べられない誕生日は初めてだった」。試合5日前の6日で、リミットまであと2キロの49・6キロ。その夜“事件”が起きた。井岡一法会長が再度、体重を量らせると52キロに増えていた。同会長の怒りは頂点に達し翌日から4泊、ホテルでマネジャーとの“軟禁生活”を強制された。
ランク1位の暫定王者を倒したことで、ミニマム最強を証明した。「ミニマムに悔いはない。ライトフライでベルトを獲りたい」。無敗街道を突き進む“ナニワの番長”の次なるターゲットは2階級制覇だ。
▼シルベストレ 判定結果には満足していない。自分の方が少しは良かったのではないか。彼のパンチでは倒れないと思ったので、どんどん行った。KOするための根性が足りなかった。きょうはついてない。
▽宮崎―シルベストレVTR 宮崎が辛くも打ち合いを制した。宮崎は序盤にバッティングでまぶたを切った影響からか、持ち前の足を使ったスタイルが見られない。接近戦が多くなり徐々にパンチをもらう数が増えたが、手数を出して前進し続けたことが吉と出た。シルベストレはカウンターを合わせながら終盤にはクリーンヒットを連発させたが、決定打を欠いた。
◆宮崎 亮(みやざき・りょう)1988年(昭63)8月20日、大阪府堺市出身の25歳。中学3年で競技を始め、興国高で井岡一翔と同級生。2年時にフライ級でインターハイ優勝。06年12月デビュー。09年10月に日本ライトフライ級王座獲得。10年6月に東洋太平洋同級王座を獲得。12年12月にポンサワン(タイ)を12回判定で下し、初挑戦でWBA世界ミニマム級王座を獲得。1メートル55。右ボクサーファイター。
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