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井岡 年末3階級見えた!具志堅以来35年ぶりライトフライ級3連続KO

[ 2013年9月12日 06:00 ]

7回、井岡はクワンタイからダウンを奪い舌を出す

プロボクシング WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井岡一翔 KO7回2分17秒 クワンタイ・シスモーゼン

(9月11日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 年末に3階級挑戦や!ダブル世界戦が11日、大阪・ボディメーカーコロシアムで行われ、WBAライトフライ級王者の井岡一翔(24=井岡)は7回2分17秒、KOで挑戦者のクワンタイ・シスモーゼン(31=タイ)を下し、2度目の防衛に成功した。同級世界戦で日本人の3連続KO勝利は6連続KO防衛した具志堅用高(協栄)以来35年ぶり。鮮やかなKOで現在の階級を卒業、フライ級に進出する。

 勝利後のリング。父・一法会長に肩車され、場内の歓声を一身に浴びた井岡は上ずった声で喜びを伝えた。

 「(観客は)やっぱりKOを見たいと思うし、意識しました。気持ちが入りました」

 先に2度目の防衛に成功した宮崎の激しい打ち合いに触発され、序盤から前がかりで攻めた。近距離で打ち合えば当然反撃も食らうが、左ジャブを起点に上下の打ち分けでダメージを与えた。決着は7回。攻勢を強め、最後は左のボディーからフックをクリーンヒット。クワンタイは座り込むようにダウン。立ち上がりかけたが、レフェリーが10カウントを告げた。

 ライトフライ級で3戦全てKO勝利。軽量級では偉業と言える。本人は「気持ちが先走り、早い段階から打ち合う距離に入ってしまった」と満足していないが、父・一法会長は「感無量。100点つけられるぐらい」と最上級の評価を与えた。これで、年末に予定する今年3試合目はフライ級に進出する方針が固まった。一法会長は「チャンピオン側からチャンスをもらえれば3階級でも、4階級でも挑戦したい」と交渉を本格化させる意思を表明した。

 3階級制覇は井岡にとって大きな区切りだ。叔父の元世界2階級王者・井岡弘樹氏は小さい頃から身近にいたスーパースター。しかし物心ついた頃に、叔父はフライ級で苦闘が続いた。弘樹氏が成し遂げられなかった夢の実現は井岡家のDNAを継ぐ者としての使命である。

 さらに夢は膨らむ。ミニマム級からライトフライ級に転級した昨秋から筋トレを解禁して約1年が経過。肉体改造に手応えをつかみ、目線をもっと先に置いている。「3階級いければ、あと2つ、5階級も見えてくる」。バンタム級まで視野に入れ、若き王者は一層の飛躍を誓う。

 ▼クワンタイ 12回まで行けなくて悲しい。やってみると井岡の方がスピードが速く、(自分の)パンチが効いていなかった。今までの選手とは違う。

 ▽井岡―クワンタイVTR 井岡がほぼ一方的な展開でKO勝ちした。序盤は相手の出方をうかがいながら冷静に距離を保ち、的確なジャブやストレート、ボディーを打ち分けてペースをつかんだ。7回は積極的に前へ出て手数を増やし、強烈な左ボディーから左フックを浴びせて一気に挑戦者を沈めた。クワンタイは有効打が少なく、王者のペースを崩せなかった。

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