中畑清氏 野球人口増目指し それぞれができることを

[ 2023年11月14日 05:30 ]

巨人OB対ジャイアンツ女子戦の7回、二ゴロに倒れ悔しがる代打・中畑(撮影・西川祐介)
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 【キヨシスタイル!】参りました。12日、静岡の草薙球場で行われた巨人レジェンドOBとジャイアンツ女子チームのチャリティーマッチ。私が監督を務めたレジェンドOBは1―8の完敗。手も足も出なかった。

 いやあ、女子チームが凄いのよ。スピード感があって、守備もうまい。肩も強い。とにかくレベルが高いんだ。

 それに引き換え、わがOBチームは先発の江川卓がわずか3球で降板。1番の高橋由伸、4番の原辰徳もノーヒット。最後は37歳の井納翔一に投げてもらったけど、140キロを超える真っすぐをファウルされたからね。ちなみに「代打、オレ」も二ゴロに倒れました。

 でも、ボロ負けしてうれしかった部分もある。少子高齢化に伴って野球人口が急激に減っている今。底辺拡大に女子野球が大きな影響力を持ってるのを感じたからなんだ。

 試合前にやった野球教室。凄くいいスイングをしている女の子がいた。小学生の女子野球チームが静岡に8つもあるんだってね。今年3月のWBCで世界一に輝いた侍ジャパンの影響もあるのかな。野球に興味を持つ女子は間違いなく増えている。

 そんなタイミングで大谷翔平が「野球しようぜ!」というメッセージを添えて全国の小学校2万校にグラブを3つずつプレゼントすると発表。3つと聞いて最初は「?」と思ったけど、右用2つに左用1つだって。その気配りにも参りました。

 男子も女子もその手にはめたいだろうな。それをきっかけに野球を始める子はたくさんいると思う。想像もしなかった究極の野球振興策。世界の二刀流はボランティア精神も超一流だ。

 私には6万個のグラブプレゼントは無理だけど、できることはやっている。故郷の福島県矢吹町で現役時代に始めた「中畑清旗争奪ソフトボール大会」は今年第40回を迎えた。記念大会ということでソフトバンク球団会長の王貞治さんにも来てもらってね。その王さんが理事長を務める世界少年野球推進財団(WCBF)の評議員も拝命している。毎年夏に世界の子供を日本に招いて教室と大会。女子もけっこう参加している。ソフトボール大会ともども死ぬまで続けなきゃ。その思いを強くしたね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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