広澤克実氏 先制点の重みが増すシリーズ 「地の利」がある阪神は、中野の出塁を得点につなげるかがカギ

[ 2023年10月30日 05:15 ]

SMBC日本シリーズ2023第2戦   阪神0ー8オリックス ( 2023年10月29日    京セラD )

広澤克実氏
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 【広澤克実 視点】59年ぶりに関西ダービーとなった日本シリーズは1勝1敗で、甲子園に舞台を移す。ともに投手力が充実したチームで、接戦が予想されていたが、2戦とも8―0という意外な結果に終わった。

 先行逃げ切りが今シリーズでは勝利のための重要な要素になっている。ともに勝ちパターンの継投にはまれば、試合を引っくり返すことは難しい。逆に、先制すれば、追加点を取るのは、さほど難しいことではない。3戦目以降も先制点の重みが増すはずだ。

 先発した西勇が4回途中で4失点KOという形になった。審判のストライクゾーンが狭く、西勇の持ち味であるゾーンの幅を有効に使うことができずに投球は苦しくなった。ツーシームが甘くなったことが失点の伏線となった。

 エース・山本の直球に対応できていた打線は、左腕・宮城に一転して苦しんだ。8割以上が直球とスライダーという配球だったが、甘めの球も仕留めることはできなかった。芯に当たった打球は少なく、押されていた。リリーフを含めて、オリックスはパワー系の投手が多い。力に負けないコンパクトなスイングをもう一度心がける必要がある。

 それでも阪神はここから甲子園で戦うことを考えると、優位な立場にある。地の利はあるし、伊藤将、大竹と安定した左腕が控えている。オリックスはDHが使えず、頓宮も杉本もスタメンは難しい。0―8敗戦ならば、気持ちの切り替えもしやすいはず。阪神には先制にこだわってほしい。2試合で8打数5安打の中野の出塁をいかに得点につなげるかがポイントだ。

 シリーズの歴史を振り返っても、若手と外国人が流れをもたらす例は多い。阪神で言えば森下とノイジーがキーマンだ。期待に応えられなかった森下だが、打てば一気に打線が活気づくはず。やってくれそうな雰囲気は感じる。 (スポニチ本紙評論家)

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