ソフトB・中村晃 劇的サヨナラ弾「負けていい試合は1試合もない」柳田は同点弾 9回2発逆転で2位死守

[ 2023年10月1日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-2日本ハム ( 2023年9月30日    ペイペイD )

<ソ・日>9回、サヨナラ本塁打を放つ中村晃(撮影・岡田 丈靖)
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 9回劇的2発逆転で今季9度目のサヨナラ勝ちを収めた。ソフトバンクは30日、日本ハムと対戦、1―2で迎えた9回、先頭の柳田悠岐外野手(34)が同点の21号ソロを放つと、1死から中村晃外野手(33)に5号サヨナラソロが飛び出し、単独2位を死守した。CSを争う3位楽天、4位ロッテともに勝利したため、ゲーム差はそれぞれと1差、1・5差と変わらず。残り5試合へ大きな1勝となった。

 簡単に勝負は終わらせない。まさに極限の集中からの意地を、左打ちの両ベテランが魅せた。34歳柳田主将の同点弾から33歳中村晃のサヨナラ弾。2位は絶対に渡さない。中村晃はその思いだけだ。

 「何とかしたいなと。CS争いをプレッシャーを感じながらできているし幸せに感じつつ。ホームでファンが待っている。絶対に2位で終われるように」

 2―2の9回1死、田中正の5球目、低め直球を迷わずすくい上げた。「同点にしてもらっていたんでリラックスして思い切って行きやすい状況でしたね」。打球は弾丸ライナーで右翼ポール際に消えるサヨナラ5号ソロとなった。

 1点を追う9回先頭。この日3打席無安打だった柳田は怒っていた。「また、むかつく思いはしたくない。くそみたいな打撃してたんで。イライラを払拭、ストレス発散できた」。1ボールから田中正の内角高め直球を強振。弾丸ライナーで右翼テラス席に突き刺さる21号同点ソロは3試合ぶりの打点だった。まさに、いらだちからの解放。ベンチで「まじで、よっしゃー」と長髪を振り乱した。

 中村晃も同じ境遇だった。14日西武戦を最後に体調不良で離脱。23日オリックス戦から復帰したが5試合無安打。復帰後20打席目で、鬼の勝負強さで拙攻続きのチームを助けた。0―2の5回に甲斐の中前適時打が、チームでは25日ロッテ戦の7回以来24イニングぶりの適時打。1―2の8回も痛恨だった。先頭で代打井上が初球を中前打も、三森が送りバント失敗で1死一塁。代打・野村大が初球を叩いて投ゴロ併殺。だからこそ、藤本監督は柳田、中村晃に最敬礼した。

 「いやー、もうー、うれしいですね、はい。普通ならば、きょうは8回でゲームセット。柳田の一発は大きかったし、その後に中村晃まで出るとは。本当にびっくりしました」

 本拠地で2連勝とし、ともに勝った3位楽天との1差、4位ロッテとは1・5差とゲーム差を保った。CS争いはしびれるが中村晃は「負けていい試合は1試合もないのでね」。クールだが、熱い男の集中力は残り5試合でさらに真価を発揮しそうだ。(井上 満夫)

 ○…先発・板東は6回を投げ6安打を浴びながら2失点と試合をつくった。2、4回に6番・田宮から適時打を浴びて1点ずつ失ったが、後続を抑えていずれも最少失点で切り抜けた。チームが劇的なサヨナラ勝ちを収め、「めちゃくちゃうれしかった。負けるわけにいかない中、自分の力不足でビハインドになってたので勝ってホッとした」と笑みを浮かべていた。

 ○…救援陣がきっちりと仕事してサヨナラ勝利を呼んだ。7回から又吉、藤井、甲斐野が1イニングずつ投げて無失点。4番手・甲斐野は9回に先頭打者の松本剛に中前打を許したが、2安打2打点の当たっていた田宮を二飛に抑えるなど後続を抑え、9月9日以来の3勝目をマーク。斎藤学投手コーチは「役割分担がはっきりしてきて全員がいい感じ」とブルペン陣を称えた。

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