中畑清氏 DeNAはこのまま首位を走れるか…裏ローテで臨む苦手のロードに注目

[ 2023年6月27日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】DeNAがリーグ戦再開となった首位攻防の阪神3連戦に3連勝。交流戦前6ゲームあった差をひっくり返し、首位に立った。

 一時は阪神独走の雰囲気が漂いながらの首位交代。どのチームにもまだまだチャンスがあるという空気が生まれ、セ・リーグ全体に緊張感が増したような気がする。

 まだ折り返し地点の数試合手前。これから先、二山も三山もあるはずだけど、勢いという点でDeNAが主役に躍り出たのは間違いない。

 初めての交流戦優勝。11勝7敗に4チームが並ぶ大混戦を得失点率の差で制したのはチーム力が上がったのを感じる。1点でも多く点を取り、無駄な失点を防ぐ野球ができた証拠だからね。

 12球団のトップに立った自信に加え、日程も味方につけた。リーグ戦再開が本拠地の阪神戦。ハマじゃ10連勝していた相手だったんだよね。

 交流戦明けで先発ローテーションも余裕があった。初戦から今永、東が連続完投すれば、第3戦はバウアーからウェンデルケン、伊勢、山崎とつないでの勝利。交流戦終盤に打たれたリリーフ陣には少し不安があったけど、伊勢も山崎もそれぞれ1回を3人できっちり抑えた。

 第3戦では21イニング連続無失点だった才木から4点奪った打線。佐野が3番に入るとやっぱり落ち着くね。プロ通算3盗塁の佐野を開幕から1番に入れた背景には「チャンスに弱い」という評価があったらしいが、この3連戦でタイムリー3本だよ。

 10年目でようやくレギュラーをつかんだ関根が1番に入り、2番には故障が癒えた桑原が戻ってきた。佐野を挟んでそれぞれ得点圏打率.364の牧、.413の宮崎が4、5番に並ぶ打線は相手からしたら脅威だよね。

 投打ともに充実したDeNA。このまま走れるかどうか。27日からの広島3連戦(マツダ)に注目したい。23勝8敗1分けと圧倒的に強いホームに対し、15勝18敗のロード。裏ローテの大貫、石田、ガゼルマンがどんな投球を見せるかだね。

 一方の阪神。岡田監督がベンチで笑顔を見せていたのが救いだ。百戦錬磨の監督。ずっと先に来る勝負どころを見据えているんだな、きっと。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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