阪神 宜野座Cは史上最少の36人…西勇らコロナ判明でさらに減少の可能性 矢野監督「いろいろ考えて」

[ 2022年1月22日 05:30 ]

合同スタッフ会議を終えた矢野燿大監督は取材に応じる(代表取材)
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 阪神は21日に西宮市内で合同コーチ会議を開き、2月1日から始まる沖縄・宜野座の1軍キャンプメンバーを発表した。同地でキャンプを張り始めた03年以降では最少の36人。同日夜には1軍に入った西勇、斎藤の新型コロナウイルス陽性が発表され、さらに人数減の可能性が高まった。矢野燿大監督(53)は厳しいコロナ下キャンプを覚悟した上で、若手の台頭に期待した。

 4年目を迎える矢野阪神が、少数キャンプを余儀なくされた。1軍は36人。宜野座キャンプ初年度の03年37人を下回り、同地では最少人数での開催だ。矢野監督は「(メンバー選考は)そんなに悩んでないけどな」と言いつつ、「コロナもあるし、いろいろ考えて」と言葉を濁した。

 昨春5人が参加した外国人が、今春はひとまずガンケルのみなのが、最少人数になった要因だ。チェンは2軍スタートで、まだ来日していないマルテ、ロハス・ジュニア、アルカンタラは隔離期間後の合流のため、2・1の不在が濃厚だ。

 沖縄の陣容を最初から手厚くすることも可能だったはずだが、現状は投手20人、捕手3人、内野手8人、外野手5人。内外野だけなら13人しかおらず、予定する2月3日のシート打撃、5日の紅白戦に、完全な2組をつくれない台所事情だ。

 球界は自主トレ中のコロナ感染が相次ぐ。指揮官の「いろいろ」という言葉から、選手を1カ所に多く集めるリスクを避けたことが、うかがえる。不安が的中するように夜には先発陣の中核を担う西勇と4年目の斎藤に陽性判定が出た。療養期間は10日とされていることからキャンプ初日の合流は微妙で、36人どころか34人でスタートする可能性もある。

 午後には西純とコーチ2人の陽性も発表されており、チームはキャンプ直前に慌ただしい事態にさらされた。

 矢野監督は新加入した守護神候補のケラーと先発要員のウィルカーソンについても3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラドーム)に「いる方がラッキーやし、いなくても仕方ない」と腹をくくった。政府の水際対策で、新規入国者の入国時期は不透明だ。

 2年目を迎えた“コロナ下のキャンプ”を取り巻く環境は依然厳しい。しかし、矢野監督が嘆くことはない。今回選ばれたメンバーは若手が中心。高山ら経験ある選手よりも、未知の可能性に機会を与え、投打両面で「誰が出てくるのかみなさん楽しみにしてほしい。僕もそこが一番楽しみ」と台頭を望んだ。マイナスをプラスに変えるキャンプが始まる。(倉世古 洋平)

《3選手とも大きな症状なく、自宅などで隔離中》
 阪神は21日午後に西純矢投手(20)とコーチ2人、同日夜に西勇輝投手(31)、斎藤友貴哉投手(27)の新型コロナウイルス陽性を発表した。西純とコーチ2人は20日午前に拡酸増幅法による検査(スクリーニング検査)を受け、同日夜に陽性と判定された。球団は球団施設使用予定者には事前の検査を義務づけ、陰性確認者のみ使用を許可。西純も18日まで球団施設外で自主トレしていて他選手への影響はない。3人とも大きな症状はなく、自宅および宿泊施設で隔離。西勇と斎藤は21日午後に検査して夜に判明。現在は自宅隔離している。いずれも今後は医療機関、管轄の保健所に従って対応していく。

 ▽新型コロナ陽性からの復帰まで 厚労省によると、オミクロン株であってもワクチン接種者については発症日から10日経過以降にウイルスを排出する可能性が低いことから、入院および宿泊・自宅療養者は発症日または検体採取日から10日経過で退院や療養解除が可能となる。無症状に限れば検体採取日から6日経過後、24時間以上間隔を空け2回のPCR検査で陰性確認できた場合も療養解除が可能。

 【データ】宜野座キャンプが始まった03年以降、参加メンバー36人は03年の37人を下回り最少。矢野監督となった19年以降は43人→44人→42人だった。ポジション別でも捕手3人と外野手5人は宜野座では最少となる。また、1軍の常連だった北條は14年以来、高山は新人だった16年以来の2軍スタートとなった。

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2022年1月22日のニュース