新入生に豪華メンバーが集う日体大・古城隆利監督が1年総括 二刀流・矢沢の「負担少ない」新起用法明かす

[ 2021年12月31日 23:13 ]

日体大・古城監督
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 首都大学リーグの日体大は昨年秋に続くリーグ優勝を狙うも、春はリーグ戦の開幕直前に部内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した影響で4位に沈み、秋は3位と浮上できなかった。元大学日本代表のコーチで、日体大を率いる古城隆利監督が2021年シーズンを振り返った。

 春先に負荷の高い練習ができなかったことが1年を通して影響した。選手の故障が相次ぎ、ベストメンバーを組めない逆境の中で戦い抜いた。古城監督は「本当に苦しい戦いで、勝ちきれなかった。中心選手が残っているので、その悔しさをバネに頑張ってほしい」と期待を込める。

 大きな収穫もあった。来秋のドラフト上位候補に挙がる二刀流の最速150キロ左腕・矢沢宏太投手(3年)は、21年春から「4番・投手」で「リアル二刀流」をスタート。指名打者制の首都リーグでは異例の起用だが、「可能性を一つに絞るのは良くない」と二兎(にと)を追わせた指揮官に先見の明があった。

 挑戦2シーズン目となった秋季リーグでは、最多イニングを投げて投手のベストナインを獲得した矢沢。7試合の登板で4完投を記録した左腕に「1試合投げきる力を持ってくれたことは嬉しい誤算。しっかりトレーニングを積んだことが実った」と目を細めた。

 4番を担う野手としても6試合に出場し、0本塁打ながら打率・300をマーク。投打で躍動した大黒柱だが、古城監督は「負担をかけすぎていた」と実感を語り、「野手陣に奮起してほしい。矢沢には5番、6番で(3、4番が)返しきれなかった走者を返す方が負担が少なくなる」と新構想も明かした。

 近年の日体大は西武・松本航(18年1位)、中日・森博人(20年2位)らドラフト上位指名選手を輩出。投手育成に優れた手腕を持つ元・中日の辻孟彦氏、オリックスなどで活躍した大引啓次氏をコーチに擁するなど、充実したスタッフ陣が成長を支える。

 新たに加わる新入生には、21年のセンバツで優勝した東海大相模・門馬功外野手、仙台育英の元主将・島貫丞内野手、大阪桐蔭の最速154キロ右腕・関戸康介投手ら豪華メンバーが名を連ねる。

 「素質のある子が順調に育ってプロに行く良い循環になっている。先輩たちが後輩たちを呼んでくれている。チームの雰囲気が良いからウチを選んでくれているのだと思います」と古城監督。3季ぶりの優勝が懸かる来春へ向けて「結果はベストを尽くせばついてくる。目の前のことを全力でやっていきたい」と語った。

 大学球界で注目度を高める日体大の新しい1年が始まる。(柳内 遼平)

 ◇古城 隆利(こじょう・たかとし)1969年6月3日生まれ、大分県出身の51歳。現役時は大分・日田高から日体大を経て、いすゞ自動車硬式野球部でプレー。18~19年に大学日本代表でコーチを務める。同大スポーツマネジメント学部の助教。

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2021年12月31日のニュース