張本勲氏「サンデーモーニング」卒業 23年間出演で「一番うれしかったのはカズ」

[ 2021年12月27日 05:30 ]

張本勲氏
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 球界のご意見番として「喝!」「あっぱれ!」でお茶の間を沸かせた張本勲氏(81=スポニチ評論家)が26日、TBS系列「サンデーモーニング」を「卒業」した。99年7月の放送から約23年間、日曜朝の顔としてスポーツ界を盛り上げてきた張本氏が番組、自身の出演を振り返った。

 約23年間、楽しい思い出ばかり。26日は放送後、歴代スタッフも集まり送別会をしてくれた。うれしかったねえ。長く続けた自分自身に「あっぱれ」をあげたいが、言いたいことを言っているのに使い続けてくれたTBSにも「あっぱれ」だ。

 「卒業」は今年の春頃から考えていた。毎週日曜日は午前5時起床。金、土曜日は資料などを調べるし、なかなか忙しかった。23年間突っ走ってきて、シニア人生をゆっくり過ごしたいと。釣りもやりたいし盆栽もいじってみたい。やりたいことはたくさんある。

 番組での「喝」は相手をやっつけるために言っていたんじゃないんですよ。スポーツには必ず失敗がある。私自身も何千回と失敗してきた。「失敗を忘れるなよ」との叱咤(しった)激励なんです。そんな中で一番うれしかったのはカズだね。15年に番組で「もうお辞めなさい」と言ったが、翌週すぐコメントをくれた。普通なら「ほっといてくれ!」ですよ。胸が熱くなり、反省しました。今日もサプライズでメッセージをくれてね。感謝しています。

 私の発言にさまざまな意見があったらしいが、全く気にしていなかった。言いたいことが言えなくなってしまうから。世の中にはいろんな意見がある。それでいい。今後は節目で番組に登場させていただく。皆さんの前でまた「喝」「あっぱれ」と言うのが楽しみだ。(スポニチ本紙評論家)

 ≪カズからは感謝の言葉≫この日のスポーツコーナーには同学年のソフトバンク・王貞治球団会長がゲスト出演した。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏、サッカーのカズ、元横綱白鵬の間垣親方からはメッセージが寄せられた。イチロー氏は「最後に盛大な喝をいただきたい」と「ハリー」と呼び捨てにし、張本氏はラスト「喝!」で応じた。カズは「その節は叱咤激励ありがとうございました。張本さんに“早くお辞めなさい”と言われないようにこれからも頑張る」と笑顔だった。

 ▼イチロー氏(番組内でのメッセージ) 張本さんロスが続出しますね。特に我々野球界の後輩に厳しいお言葉、いただいてきました。しかしそのほとんどは叱咤でもあり、激励でもあったと感じています。意図的に張本さんが厳しいスタンスを取られてきたその姿勢は、まさに「あっぱれ」だったと思います。張本さんにしかできないことで、これからも出てこない。しかし、このコーナーは「喝」があるから面白い。だから最後も盛大な喝をいただきたいので、このメッセージをお送りします。ハリー、お疲れさまでした。またいつか、どこかで。

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