借金259の清算へ 阪神・佐藤輝 伝統の一戦23打席目で初打点 虎の宿命背負い、1歩目刻んだ

[ 2021年4月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-8巨人 ( 2021年4月22日    東京D )

<巨・神(6)>3回2死一、二塁、佐藤輝は左前適時打を放つ(投手・高橋)(撮影・椎名 航)
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が22日、宿敵の巨人に対して初めての適時打と打点を刻み込んだ。6点劣勢の3回2死一、二塁から左前打。6カードぶり負け越しの中で意地を見せた。1936年のプロ野球創生期に始まった“伝統の一戦”は通算1998度目で、来月14日からの3連戦で「2000」の大台に到達。猛虎の次代を担う大砲候補として脈々と続く歴史に確かな一歩を踏み出した。

 敗戦の瞬間をベンチで見届け、佐藤輝は唇をかんだ。5試合ぶりのマルチ安打と打点がついても、敵地で負け越した事実を受け止め、悔しさをにじませた。

 「切り替えて新しい気持ちで打つしかないので、2本ヒットが出たことは良かったと思いますけど。チームが負けてしまった悔しさの方が大きいです」

 6点劣勢の3回2死一、二塁。「1点ずつ返していけば、まだまだ分からない」。闘志をみなぎらせて高橋の初球、外角への145キロを痛烈に左前へはじき返した。巨人戦6戦目、通算23打席目での初適時打、そして、初打点だった。

 過去2日間は内野安打の1本だけ、計6三振を数え、前夜は悔しさからか、ベンチでしばらく動けなかった。一夜明けて打撃練習前には井上ヘッドコーチから約5分間にわたって助言された。同ヘッドが明かした。

 「昨日も、いいスイングがいっぱいあった、けど、それがファウルになる。仕留めるためにはどうしたらいいかを考えたら、答えは出てくるよ、と」。技のヒントだけではない。心の持ち方も諭された。「レギュラーとして出ている責任はちゃんと感じてやれ、と。凡打、三振を怖がるのは見せなくていい。ただ、出ていない先輩がいる。ルーキーでも、それを考えたら責任感を感じながらやらないといけない」

 佐藤輝も「使ってもらっている以上、自分がやるべきことはしっかりやっていかないといけない」と改めて自覚を強くした。

 「伝統の一戦」は通算1998試合目。834勝1093敗71分けで、借金259を抱える。4月とはいえ、首位攻防の激突。今季も3勝3敗の五分に戻され、2ゲーム差に詰められた。9年連続負け越し中の巨人を倒さない限り、やはり16年ぶり優勝への道は開けない。

 歴史を塗り替える力になるべく、視線を先に向けた。「しっかり切り替えて、いいところで打てるように頑張ります」。23日からは本拠・甲子園に戻ってのDeNA戦。再び宿敵と相対するまで、豪快な一撃を積み重ねたい。 (阪井 日向)

 ○…阪神―巨人は22日に今季6試合目を消化。1936年に始まったプロ野球創生期から数えて1998試合で、通算成績は阪神の834勝1093敗71分け(勝率・433)。順調に日程が消化されると、5月15日に通算2000試合目となる。プロ野球の最多対戦カードは阪神―中日で、今季開幕前時点で1993試合。5月11日にプロ野球初のカード2000試合目を迎える見込みだ。

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