日本ハム・栗山監督 “大沢親分”に並ぶ球団最多631勝!連敗は7でストップ

[ 2021年4月10日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム2ー1オリックス ( 2021年4月9日    京セラD )

<オ・日>勝利しナインを迎える栗山監督(左、中央は宮西、右は堀(撮影・奥 調)
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 一つ勝つことがどれほど大変か。野球の難しさと厳しさ。それを積み重ね、ついに「親分」に並んだ。「勝つのは久しぶりだな。本当に」。日本ハム・栗山監督はしみじみと言った後、ぶっきらぼうにこう続けた。

 「全然、関係ないだろう」。元監督の大沢啓二氏に並ぶ通算631勝の球団最多記録には無関心を装った。自分のことはどうでもいい。チームを勝たせ、選手を喜ばせることだけに腐心する指揮官の姿がそこにある。だけど、この夜の勝利は格別だったに違いない。

 泥沼の7連敗。そんな暗雲を振り払ったのが浅間だ。0―1の8回2死一、三塁。「読みながら頭にあったフォークをうまく打てた」と平野佳の決め球を捉え、左翼線への逆転2点二塁打を放った。相次ぐ故障に悩まされてきた中で、我慢して使ってくれた栗山監督へ恩返しの一打。「監督はやりやすい環境をつくってくれる。それに応えていきたい」。ヒーローはそう言って記録の更新も約束した。

 栗山監督はスポーツキャスター時代、野球観を勉強するために大沢氏の自宅を訪れたことがある。「野球観というのは物事の考え方や人生に出ると思っている」と考え、あえて自宅を訪問。「慎独(しんどく)」を感じたという。「慎独」とは一人でいる時でも心を正しく持ち、言動を慎むこと。整然とした部屋からそれが感じ取れた。「優しかったよね。優しさを持っているから親分と呼ばれるんだろうね」。その「親分」に並んだ。

 連敗も止まった。どん底からの逆襲は、ここから始まる。(秋村 誠人)

《歴代最多は鶴岡監督1773勝》日本ハムが連敗を7で止め、今季2勝目。10年目の栗山監督は通算631勝で大沢啓二監督に並ぶ球団監督最多勝利となった。歴代最多は鶴岡一人監督(南海)の1773勝で栗山監督は21位。

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