【21年版・球界“新”士録(6)】西武ドラ6・ブランドン 長い名、端正な顔、未知の世界で磨いた心技体

[ 2021年1月21日 08:30 ]

西武合同自主トレで精力的にノックを受けるブランドン(撮影・尾崎 有希)
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 「第6巡選択希望選手、埼玉西武、タイシンガー・ブランドン大河」――。昨秋ドラフト会議でアナウンスされると、その名はツイッターでトレンド入りし全国に知れ渡った。父が米国人で「(名前を)1回で聞き取ってもらえない」と苦笑するイケメン内野手は、合同自主トレで精力的にアピール。春季キャンプA班入りを決めた。

 小学校低学年までは少年サッカーチームに所属していたが「何か違う」と野球の道へ。高校時代に甲子園出場はなく、プロ志望届の提出も断念した。地元の沖縄から約2500キロも離れた「東農大北海道オホーツク」に進学。4年後のチャンスを信じ、汗を流した。

 未知の世界に飛び込むことでプロに通じる「心技体」が備わった。まずは心。元来、人見知りだったが、4年時に主将を務め「嫌なこともチームメートに言わないといけない。人前で話すことも多くなって人間的にも大きく成長できた」。そして技。野球に特化した環境に身を置き、才能が開花する。北海道六大学リーグでは打率4割を超えた3シーズンで首位打者に輝いた。最後に体。ウエートに加え、間食を含む食トレで70キロを超えるのがやっとだった体重は4年間で84キロに達した。

 一昨年の大みそかには地元のカウントダウンライブで山川と遭遇し「頑張ってプロに来いよ」と激励された。導かれるように同僚となり「考え方、ボールの待ち方、打ち方。どんどん聞きたい」と再会を心待ちにする。「強力打線に食い込んで“沖縄を代表する選手といえばブランドン”と言ってもらえるように誇りを持って頑張りたい」。今度はプレーでその名をとどろかせる。(花里 雄太)

 ◆タイシンガー・ブランドン大河(たいが)1998年(平10)6月15日生まれ、沖縄県うるま市出身の22歳。石川では甲子園出場なし。東農大北海道オホーツクでは1年春からベンチ入りし、3年春から3季連続(4年春は中止)で首位打者を獲得。ベストナインに5度選出された。遠投110メートル。50メートル走は5秒9。1メートル79、84キロ。右投げ右打ち。

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