6年ぶりにFA流出が止まった西武 熊代が語るチームの魅力とは

[ 2020年12月23日 18:40 ]

今季がプロ10年目だった西武の熊代外野手
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 ついに、西武が抱えていた別れの連鎖が止まった。今季新たに国内FA権を取得し、去就が注目されていた守護神の増田達至投手(32)が権利を行使して残留を決め、西武は6年ぶりにFAでの流出者が、ゼロとなった。

 もちろん、選手が得た権利なので、移籍することに否はない。それでも、レオ党は15年脇谷(巨人)、16年岸(楽天)、17年野上(巨人)、18年浅村(楽天)、炭谷(巨人)、19年秋山(レッズ)と昨年までの5年間で6選手の移籍を見届けてきた。さらにその間、ポスティングシステムで17年に牧田(パドレス)、18年にも菊池(マリナーズ)がチームを去っており、オフのレオ党は生きた心地がしなかったと言っても過言ではないだろう。

 ところが、昨オフは十亀が宣言残留し、今季中に国内FA権の取得を控えていた金子は4年の大型契約を結んだ。そこへきて、今オフもセーブ王に輝いた増田が残留。レオ党が歓喜の声を上げたのは言うまでもない。

 増田の陰で、ムードメーカーの熊代も宣言残留した。内外野をこなすチームきってのユーティリティープレーヤーは、契約更改交渉後の会見で「僕がFA権を持っていても…FA権自体をなくしたいと思っていた。ライオンズ以外考えられない。ライオンズが大好きです。ガハハハ」と豪快に笑った。

 好きな理由を問われると「年上の方もそうだし、後輩も気を遣うんじゃなくて、ちょっかいを出してくれる。他球団から来た選手からも西武っていい雰囲気だなと言われる。誰でも溶け込みやすいというか、変な上下関係もないし、いい意味でみんな友達みたい。“あれ、同級生?”という感じ」と説明した。

 現に18年の開幕前に阪神からトレードで加入した榎田は11勝を挙げ、救世主と呼ばれる一方、いじられキャラとしての立ち位置も確立。後輩から「榎田さんはお尻がデカい」と茶化され、同年の選手会納会では移籍1年目で異例(?)の乾杯の音頭も任された。翌19年に加入した内海も2軍生活が長いが、10歳以上も年の離れた後輩とも友人かと見まがうほど溶け込んでいる。

 「でも、やるときはみんなスイッチが入る。そういう雰囲気かな、一番好きなところは」と熊代。辻政権下では2位、優勝、優勝、3位と好成績を残しているものの、日本シリーズ進出はまだない。来季こそ「ファミリー」が檜舞台に上がることを祈りたい。(記者コラム・花里雄太)

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2020年12月23日のニュース