ゴールドグラブ賞、選出法も“新様式” 今季は守備指数「SDI」重視で常連が選外に

[ 2020年11月4日 22:01 ]

ツインズの前田(左)とレッズの秋山(AP)
Photo By AP

 大リーグで守備のベストナインに相当するゴールドグラブ賞が3日(日本時間4日)に発表され、ツインズの前田健太投手(32)とレッズの秋山翔吾外野手(32)は受賞を逃した。

 今季はコロナ禍でレギュラーシーズンが60試合に短縮され、全て同地区同士の対戦だったため、従来の監督やコーチによる投票などではなく、「セイバー・ディフェンシブ・インデックス(SDI)」という守備指数に基づいて選出された。守備範囲の広さ、守備で防いだ失点の割合など5つの指標から成る。2位タイの前田を僅差で上回ったエンゼルスのキャニングは「認めてもらえたことにエキサイトしている」と驚いた様子。エ軍を長年取材する記者もノーマークだったほどだ。

 昨季までは監督、コーチの投票が選出結果の75%を占め、周囲の評判や主観に左右される傾向があった。客観的な指標を重視する方向性は評価できる。一方、インディアンスの遊撃手リンドアら、誰もが技量を認める同賞の常連が最終候補にも入らず、データの信頼性を疑問視する声が挙がったのも事実だ。

 個々の能力だけでなくデータ分析も年々、進化する。コロナ禍による導入ながら、今回の新様式はファンに新たな野球の見方を示すという副産物もあった。来季以降も踏襲される可能性はあり、最善の選出方法を考えるきっかけになるだろう。(大リーグ担当・奥田秀樹通信員)

続きを表示

2020年11月4日のニュース